ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏がオーストラリアの上院選に出馬しそうだという話を2月19日付けのブログで取り上げてから5か月あまり、いよいよ、ジュリアン・アサンジ氏の議席狙いの体制が整ったようです。

APのこの記事によると、アサンジ氏が、亡命先のロンドンのエクアドル大使館からスカイプで、ウィリークス党の結党と自らを含め7人が立候補すると述べたとか。早速、ウィキリークス党のサイトにアクセスしようとしましたが、なぜか、「offline」で、キャッシュ画面?が出ます。そこには、アサンジ発言や結党の話が見当たりません。

そこで、オーストラリア選挙委員会(Australian Electoral Commission=AEC)のサイトを見ると、4月23日に、政党名を「The Wikileaks Party」とするという申請書が出されていて、AECの審査で問題なしと認められ、5月22日に申請書がAECのサイトに掲載、異議を6月24日まで受け付けましたが、結果は1件も異議がなく、7月1日付けで、正式に政党登録が済んでいたことが判明しました。選挙記録上の略称は「WKP」です。

で、注目のアサンジ氏が出馬するのは、かって住んでいたビクトリア州。豪州の上院は州ごとの大選挙区で、比例代表制のようです。各州の定員は12人で3年毎に半数を入れ替えますから、次回選挙での定員は6です。

ウィキリークス党は、どこでどう戦うのか。The Voice of Russiaという英語のラジオ放送のJohn Robles氏が、ウィキリークス党の選挙責任者というGreg Burns氏に26日朝にインタビューした内容が文字化されています。

それによると、ビクトリア州には、アサンジ氏のほかに、倫理学者のLeslie Cannold、国際法の専門家Binoy Kampmarkの計三人がでます。当選順位はもちろん、アサンジ氏が1位。他に、ニューサウスウェールズ州には弁護士のKellie Tranter、元外交官のDr.Alison Broinowskiの両氏、ウェスタンオーストラリア州にジャーナリストのGerry Georgatos、障害者問題に関わるSuresh Rajanの両氏という顔ぶれだそうです。

一体、当選する可能性があるのかどうか。2012年4月の調査では、もしアサンジ氏が上院選に出馬したら投票するか?との問に「おそらく投票する(likely)」が25%でした。それが、アサンジ氏を強気にしたと思われますが、今年4月の、同じ調査会社の数字では、アサンジ氏が出馬するビクトリア州で、ウィキリークス党へ「おそらく投票する」は23%でした。ニューサウスウェールズ州では、それがなんと36%、ウエスタンオーストラリア州は18%です。

それだけに、The Voice of Russiaのインタビューに対してBurns氏は。「ジュリアン(アサンジ)以外にもみんな勝つチャンスがある」と強気です。そして、Robles氏が「世界中にドミノ効果が生まれるか?」と聞くと、「そこが重要なところだ。ウィキリークス党の依って経つ価値はユニバーサルで、とりわけ、現代の民主主義に関わるからだ」と、大風呂敷を広げた発言も。

オーストラリアの選挙は単純に投票用紙に書かれた一人の候補者の名前の集計だけでは決まらない複雑な仕組みのようで、先の調査結果を報じたThe Registerの記事も、「アサンジ氏は23%の票を要しない」と書いて、当選の確率が高いことをほのめかしています。どうやら、アサンジ氏の上院選での当選は夢物語ではなさそう。

ただし、当選したからといって、議員特権を振りかざして帰国、というわけには行きません。そんな不逮捕特権のようなものはないし、アサンジ氏自身が英国メディアTNTマガジンの7月22日付けのインタビューに応えて、「当選で事態が変わることを期待はするが、アメリカやスウェーデンが捜査を取り下げない限り、豪州議会の議席には座れないだろう」と認めています。

それでも、出馬するのはなぜか。それは、おそらく、アサンジ氏が帰国出来ないことが確定すれば、ウィキリークス党の当選順位2位か3位が繰り上げ当選になるからでしょう。そうすれば、豪州議会に議員を送り込む、議会内で事ある毎に「アサンジ氏を守れ!」というような発言をウィキリークス党として発言し、オーストラリア人は聞かされ続ける。「それはアサンジ氏にとって有用なことだろう」ーーそれがThe Registerの見立てです。