これは8日付けの英国・オブザーバー紙(ガーディアンの姉妹紙の日曜新聞)に載った長文のインタビュー記事(ホントにものすごく長文です)で、彼女自身が明らかにしたものです。

彼女は、2009年春、英国のテレビ局ITVのオーデション番組<Britain’s Got Talent(BGT)>に登場、その美声で世界的にセンセーションを巻き起こしました。当時、彼女の歌うレ・ミゼラブルの名曲、I Dreamed a Dreamのネット映像は40日間で2億回以上も見られたということでした。(現在は見られません)その年の暮れに来日し、NHK紅白歌合戦にゲスト出演しましたので、ご存じの方も多いでしょう。

実はこのブログでは2009年4月から6月にかけて、予選段階から決勝まで、なんと4回も彼女やBGTについて書きましたので、<(その1)(その2)(その3)(その4)>、いずれ、マスコミでも報じられるでしょうが、ここにも記録しておきます。

このインタビュー記事によると、ボイルさんは1年前に、スコットランドの専門家のもとに行き、診察を受けたところ、アスペルガー症候群のひとつである<a high-functioning form of autism(高機能型自閉症)>だと診断されたそうです。また、IQも平均以上だと告げられたといいます。

高機能型自閉症というのは、主に他人との関わり方やコミュニケーションに影響を与えるらしいのですが、この結果が出たことに、ボイルさんは「ホッとした。いまはリラックスしている」と語っています。

というのも、BGTの出番のあとで神経衰弱の治療を受けたり、有名になる過程で、彼女の「奇行」めいたことを取り上げ、「脳がダメージを受けている」などと報じられたことがあったり、子供のころは、学習障害を抱え、「変わり者」「ノロマ」などと言われ、イジメに会ったりしていたからです。

それがアスペルガー症候群だとはっきりしたことで、彼女は力強く語っています。「アスペルガー症候群が私を定義するのではない。それは私とともに生き、一緒に働く、一つの条件(condition)なのだ」と。

自ら告白したことで、「自分が経験した辛いことや、私がとる言動について、これから、他の人々の理解が進むかもしれないのが嬉しい」とも語っています。

ボイルさんは、世界中で1400万枚のアルバムを売り、最近、4枚目のアルバム「Home for Christmas」をリリースしたばかりだそう。そして、13日封切りの映画「The Christmas Candle」に特別出演の形で映画デビューを果たします。さらに、彼女の劇的な人生を描く映画まで企画が進行中で、主役はメリル・ストリープが噂されているとか

オブザーバーのインタビューにも、「コミュニケーション障害」があるとも思えぬジョークを交えて答えているようで、あらゆる面で絶好調のようです。そうした心の余裕が、病の告白につながったのでしょうか。

彼女の十八番、I Dreamed A Dream(夢破れて)の歌詞の最後はこうです。

I had a dream my life would be
So different from this hell I’m living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed

スコットランドの田舎の教会ボランティアから世界的歌手へ。そして病との共生。彼女の人生は、歌詞とは全く逆の夢膨らむ方向にどんどん回っています。