毎年1月恒例のコンシューマー・エレクトリック・ショー(CES)、今年はあまりニュースにならなかった印象ですが、今回のCESを振り返り「CESから盗み出したいと思った15のモノ」<15 Things We Wanted To Steal From CES 2014>という特集に行き当たりました。

その第一は、映画バックトゥザフューチャーに出てきた車型タイムマシン「デロリアン」のレプリカで、その4番目にあったのが「SoloShot 2」という初耳の三脚でした。説明には「Robotic Cameraman」とあります。興味を惹かれます。

日本語情報はありませんが、CES会期中に書かれたいくつかの英文記事によると、要するにこのブログで前回取り上げた「selfie」(スマホなどによる自分撮り)のビデオ版を実現するもののようです。まずはこれを作っているSoloShot社が作成した動画を御覧ください。4分弱です。


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ビデオをご覧になった方は、おおよそのことはお分かりになったと思いますが、一応整理しておきます。今回CESに出品されたのは現在発売中のSoloShotの改良版で、出荷は3月とのことですが、その新機種についてまとめてみます。

この三脚には、オレンジ色の箱が乗っており、この箱の上にビデオカメラなり、ビデオも撮れる普通のカメラ、バイクのライダーがヘルメットにつけて走行中の映像を撮る時などに使うポイント・オブ・ビュー・カメラ(NTVの巨人戦中継で球審の頭につけていて、プロの投手の凄さを見せてるカメラです)など、録画機能のあるものならなんでもいいですから取り付けます。

一方、撮られたい本人は、手首でも、上腕部でもどこでもいいので無線発信器付きのベルトを巻き付けます。で、無線発信器のスイッチを入れると、三脚側のオレンジボックスと通信を開始し、箱はカメラと一緒に常の無線発信器をつけている人の方向に正対してビデオ撮影するのです。

これを考案した人物はサーファーだそうで、自分の演技を撮影する人を探すのに苦労していたので、サーファー仲間や水上スキーヤーなどでチームを編成して、1年半前に最初のバージョンを完成させたそうです。

考案者によると、水上スポーツだけでなく、あらゆるスポーツで、自分撮りが可能で、たとえば、高速で走り抜けるモトクロスでも、単に正面からだけでなく、1秒間に80度もパン(横に振る)する機能が加わって、走り去る姿まで撮れるとのことですから、サッカーやラグビーなどの動きは楽勝で自分をずっと追いかけ続けてくれるでしょう。

また、自分撮りだけでなく、リトルリーグや少年サッカーで活躍する我が子をビデオで撮るには、ずっとビデオのディスプレーを覗いていなければなりませんが、SoloShotに任せれば、確実に我が子だけを撮れるだけでなく、ビデオカメラに関わらず実際のプレーを見て応援に専念できる、なんてことも考案者はFastCompanyの記事の中でPRしています。

また、Computer Worldの記事によると、無線発信器は1,800メートル離れた先からも通信でき、ズーム機能なども手元から操作できるそうです。また、長い距離を移動するモトクロスなどでは、何台も三脚を立て、本人の通過に伴って次々とリレーしていく機能も加わったようです。何台もあると盗難が気になりますが、盗まれるとロックして使えなくなる機能もあるとか。

そのお値段は1台399ドル、これにソニーのCX220カムコーダーや32ギガのSDカードなどのパックは599ドルだそう。サイトには<build your own robot production>ってフレーズがありましたっけ。599ドルで作れるなら安い?