この時期、今年を振り返って「世界の」とか「日本の」10大ニュースなどが出てきますが、日頃、ちょっと角度を変えた、ジャーナリズム、インターネットや政治意識などに関するユニークな調査結果を提供してくれるシンクタンク(自身ではfact tankと称していますが)Pew Research Center(以下、Pew)の<14 striking finding from 2014>(2014年の際立った14の発見)も公表されました。

いずれも、Pewが今年、調査した内容で、14項目なのは、Pewの調査分野が先の3つを含む7つあることから、今年発表した150のレポートから、それぞれ2項目づつ選んだためのようです。視点は米国が軸ですが、日本の事情にも通じる点も少なくなく、興味深いので、かいつまんでご紹介します。

なお、Pew Research Centerは、石油で成功したJoseph Newton Pew夫妻の子孫が1948年に設立、数々のプロジェクトを行っているPew Charitable Trustが、前身を含め1996年から支援している事業で、歴史は比較的浅いのですが、スタッフ120人を抱える大型調査機関です。では、14大ニュース。

1,共和党、民主党支持者のイデオロギーの乖離が進んでいる。同性愛、移民、環境、経済政策、政府の役割など10の質問で見ると、回答が重なる部分(グラフでは真ん中の紫色の部分)が少なくなり、それぞれ中間値は20年前に比べ、左右に広がった。

2,学士かそれ以上の学位を有するか否かで、若者の収入格差はかってなく拡大している。25ー32歳のフルタイム従業員で見ると高卒は大卒者の4分の3(77%。2.8万ドル対4.5万ドル)しか稼げない。

2,結婚率は歴史的な低下傾向。2012年に25歳以上では5人に1人が結婚しておらず、男性の方にその傾向が顕著で、この男女間ギャップは1960年以降、徐々に拡大している。

4,国民の4分の3近く(72%)が、「宗教はアメリカ人の生活への影響力を失いつつある」と考えている。2002年にそう考えていたのは52%だった。(グラフ略)

5,アメリカ人の資産に大きな影響を与えたリーマン・ショック。徐々に回復しているものの、人種的に見ると資産格差は拡大した。白人と黒人の平均値はリーマン・ショック直後に10倍だったものが現在は13倍に、対ヒスパニックでは9倍が10倍に広がった。(グラフ略)

6,テレビや固定電話よりインターネットや携帯電話に重きを置く人が増えている。ネットユーザーの53%、携帯ユーザーの49%が「使うのをやめられない」と回答。一方、テレビだと、それは35%、固定電話は28%に留まる。18−29歳に限れば「テレビを絶対にやめられない」は12%に過ぎない。

7,ハイテク時代になって議論の的になっているプライバシー問題について、「消費者は個人情報をコントロールする力を失った」に「強く同意する」が45%、「同意する」が46%と、計9割を超えた。同意しない、強く同意しないはそれぞれ6%、1%に過ぎない。(グラフ略)

8,違法ドラッグ問題。ヘロインやコカイン中毒者対策で、治療を提供すべきが67%で、訴追を強化すべきの26%を大きく上回った。また、暴力的でない薬物犯罪者への収監判決を廃止したいくつかの州の動きに対しては2対1(63%対32%)で「良いことだ」とする意見が多かった。2001年は拮抗していた。(グラフ略)

9,思想がリベラル派と保守派では、それぞれの情報入手先のメディアが大きく異る。リベラル派はCNN、NPR,MSNBCなどに分散しているが、保守派はFoxNewsが47%と突き抜けている。

10,ネット上に立ち上がっている新興のデジタル報道機関は468におよび、合計で5千人近くを雇用するまでになった。とはいえ、ニュースメディア産業の収入合計は2006年の940−950億ドルから630−650億ドルに減少、3分の1も失われたままだ。(グラフ略)

11,オバマ大統領の違法移民政策が論議を呼んでいるが、実はこのところの違法移民数は一定している。現在の推定値は1130万人で、これは2009年から横ばいだ。(グラフ略)

12,世界各国で生活満足度を10段階に当てはめて聞いた。7,8,9,10と満足度の高い数字を回答したのは米国、日本などの先進国の国民だが、その割合は金融危機前の2007年に比べて低下し、一方で中国、インドネシア、マレーシアなどの中進国では大きく伸びて、先進国に迫る勢いだ。

13,人口の高齢化は多くの先進国で進むが、2050年には、日本の中間年齢の推定値は2010年の45歳が53歳に伸びる。韓国は38歳→53歳、ドイツ44歳→51歳などだが、米国は37歳→41歳に留まる。中国、ブラジル、メキシコなどは、今は米国より中間値が低いが2050には米国を追い抜く。

14,中南米は世界のカソリック信者の40%を占めるほど、カソリック信者が多かったが、現在はカソリック教会からの離脱が地域全体で起きている。1970年にカソリックが94%を占めていたのが69%に減少、プロテスタントは4%から19%へ、帰属無しが8%に達している。(グラフ略)

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