<結婚何年目かの節目の記念日に、妻へのプレゼントをグーグルで検索したが、エプロンだとかなんとか、ろくな答えは見つからなかった。で、親しい友人数人に相談したら、素晴らしいアドバイスをいくつも貰えた。これこそFacebookが流行る理由で、検索語を機械的に探すグーグルの方向性とは真逆なのだ>
うろ覚えですが、週刊誌のコラムで、最近、こんな趣旨の話を読んで、なるほどと思いました。
というのも、たまたまですが、ニューヨークで始まったというText Rexというサービスについての記事が記憶にあったからです。自分がいま居る場所近辺で、条件に合うレストランやバーをメールを尋ねると、即、答えてくれるサービスですが、真逆の方向というFacebookとグーグル、双方の良いとこ取りをしたような仕組みなのです。
実は、ニュースサイトFastCompanyの記事で、この件を知ったのはもう3週間ほど前です。早速、実感したいと思い、申し込んだのですが、すぐにこんな返事がきました。
「順番待ちだよ。空いたら連絡するね」とあったので、待ってましたが、今日まで、連絡がなく、何時になるか分からないので、FastCompanyの記事を書いたJohn Paul Titlow記者の体験談を元に紹介します。
このサービスはまだbeta版で、ニューヨーク市内(NYC)限定なのですが、好奇心の強いTitlow記者、フィラデルフィア在住なのに、「(NYCの)EastVillageにいるんだけど、このあたりでいい雰囲気の軽食レストラン(dinner)はないかな」と尋ねます。
すると、数秒で<La Bonboniere>を紹介するメールが届きます。(この店の所在は8th Avenueですからwestです) それから1分後にまたメールが。「ゴメン。あなたはEast Villageにいるんだよね。Westと勘違いしちゃた」”How about Veselka?” なんと、Titlow記者も行ったことのある店でした。
「人間がやってるってことを示すためにわざと間違えたのかも」とTitlow記者。その他のやりとりもユーモアたっぷりだったそうで、「マリファナを買うための似たようなサービスの立ち上げ」という際どい冗談への回答メールにはこんなGIF動画が付いていたとか。「お手上げ」ってことかな(笑)
NYC限定とはいえ、数秒でオススメを回答するようなサービスがどうして可能なのか。実は、このText Rexを始めたのはThe Infatuationという、日本で言えば、ぐるなびに似たレストランやバーの評価サイトです。積み重ねたNYC中のお店のデータベースがあるんですね。
で、質問を受けると、このサイトのレビューデータを集めてきたInfatuationのスタッフが、素早くデータベースにアクセスして、アクセス結果の中から自分の実際の経験も生かして最適な店を回答するということのようです。
ユーザーとデータベースの中にスペシャリストがいて、まるで友人のようなアドバイスをする。なかなか素晴らしいですが、生身の人間が捌ける数には限りがあります。しかも、ど素人に無理。結構、街中情報の達人である必要もあります。(それで、私はwaiting listに載ってるけど、まだ登録できない)そこが弱みに見えます。
ところが、InfatuationのChris Stang CEOによると「たくさんの人が、どうしたらText Rexに関わってRecomennder(オススメ人)になれるかと尋ねてきてるんだ」ということです。そして、半年以内に、NYCと同じような評価データベースのあるロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴでも開始したいのだとか。強気です。
どうやって収入を得るのか。それもまだ不透明ですが、多くのITサービスがそうであるように、このサービスも定着・拡大する中でなんらかの道が開けるのでしょう。
オススメサービスと言えば、アマゾンに代表される、過去の購買記録などを元に、コンピューターが解析したものが圧倒的のように思いますが、この人間が介在するオススメサービスが成功すれば、レストラン、バー案内にとどまらず、他の分野にも広がるかも知れません。期待しましょう。
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