まだ東京で消耗してるの?」と移住先の土佐で煽っていらっしゃるのはイケダハヤト氏ですが、一昔前、日本で「男の楽園」などと言われたタイのチェンマイで、ネットで稼ぎ、悠々たる生活をガールフレンドとエンジョイしているらしい米国出身のJohnnyFD(以下FD)なる34歳の青年がいます。

土佐とチェンマイ、「南国」なこととネットで生計を立てているのは共通しますが、FDの7月分の新規貯金がなんと1万1675ドルっていいますから、イケハヤ氏よりは、多分、だいぶ多いんじゃないでしょうか。そして、その人生も若いのに波乱万丈。パソコンオタクがいきなりネットで成功したわけではありません。

FDの存在はBusiness Insiderの記事で知ったのですが、彼自身が、ブログで毎月の収入報告(Income Report)を掲載していますので、早速、それも覗いてみました。

Business Insiderの記事によると、FDは元はカリフォルニアで会社回りのセールスマンでした。が、2008年、27歳の時になんだかやる気を失っていました。折りも折り、間もなく、勤務先の会社が売却されてしまいます。そこに残ることも出来たんですが、彼は一時金を貰って退社しました。

数ヶ月間、友人とロサンゼルスで暮らした後、彼が「どこか遠くへ」ということで選んだ先がタイ。ここで参加したスクーバダイビングに感動し、ハマってしまいます。それから数年、ダイビングの経験を積み重ねた彼は、ダイビングを教えながら、最高のスポットを探して世界中の海を巡ったそうです。

が、ある時、「リゾート地のダイビングガイで終わりたくない。そこでもてなされるゲストになりたい。ゲストになる余裕が出来るまでダイビングは封印だ」と決心したそうです。

そこで選んだのが、タイの国技、ムエタイでした。あの格闘技です。30歳での遅い入門でした。でもこう考えたそうです。「いま、これをやらなきゃ、いつやるんだ!」

そして2年間。リングネームJohnnyFDがプロになって6試合目で、彼はボコボコに打ちのめされて、足を折られ、目は腫れ上がり、体がガタガタになって限界を悟るのです。32歳でした。

次は?実はFDは、ムエタイの経験を中心にブログを書いていました。ブログを本にすればお金を稼げる、ということを耳にします。そこで、ブログを再構成して12 Weeks in Thailand: The Good Life on the Cheapという本にします。(アマゾンで見ると、ペーパーバック版とKindle版があったようですが、今売っているのはKindle版だけです)

それが、最初の1ヶ月で600ドルの稼ぎになりました。そこで、彼はもっともっと売る方法を身に付けたくて、当時、チェンマイに誕生したばかりの「デジタル ノマド」のコミュニティに出会い、そのメンバーの殆どに会い、食事に誘い、コーヒーを共にして、貪欲に知識を吸収したそうです。

そうして始めたのが、日本ではあまり評判がよくないドロップシッピングのお店。早い話が、在庫を持たないオンライン小売店で、注文を受けたらメーカーに連絡して、自分の店の名前で発送してもらうという商売。

これが当って、収入の柱となり、先月は冒頭に書いたように1万ドル以上の貯金が出来ているとBusiness Insiderの記事にあるので、実際に収入の内訳はどうなっているかFDのサイトで細かく見て回りましょう。

2015年7月のレポートでは収入項目は7つです。まず、本の売り上げ収入(その後に2冊目を出したので2冊合わせて)は280ドル。1年前に投稿したオンライン教育プラットフォームUdemyの講読料収入が408ドル(以下、小数点以下切捨て)。先月のドロップシッピングは低調でしたがガールフレンドと一緒に行っているサイト分を含めて利益が2,650ドル。(ちなみに、1年前は5,540ドルの利益だったそうです)

ドロップシッピングやインターネットマーケティングに関する電話相談が295ドル。Youtubeに設けたチャンネルからの広告収入64ドル。ブログで宣伝を手伝うアフリエイトマーケティングで過去最高の8,514ドル。先月から本格展開のブログやサイトで儲ける方法を伝授するサイトへの参加費が1,066ドル。

収入は締めて1万3千ドル強。一方、生活費が安い。家賃が375ドル、水道光熱費21ドル、インターネット21ドル、携帯電話13ドル、ガソリン・交通費15ドル、仕事場のコワーキングスペース代110ドル、スポーツジム30ドル、食費400ドル、マッサージ25ドル、その他100ドル。遊びに行ったマカオへの飛行機代228ドル、同ホテル代119ドルを加えても計1,457ドルなり。

かくて、1万1千ドル以上の貯金達成という計算。素晴らしい。しかし、ここまで書いてきて気になることがひとつ。それは、自らのドロップシッピングのサイトへのリンクが、7月に限らず、毎月のincome reportにないことです。何を売っているのか知りたいところですが。そのわけを、彼は、income reportを始めた1年前の記事でこう書いています。

My parents, sister, cousins, girlfriend, and close friends all know what I sell, I just don’t like spreading it all over the internet as I don’t want to get stalkers for my business.
<私が何を売ってるか周りの人はみんな知ってるけど、私のビジネスのストーカーが嫌だからネット上全部に広げるのが好きじゃないから>だと。ふ〜〜〜ん。ネット上で広げないとお客は増えないんじゃないかと思うのはシロート考えなのかな。
ま、いずれにしても、憧れのチェンマイで優雅に暮らしてるのは、写真やYoutubeで見る限り間違いないんだから、大したもんではありますが。あ、それと、チェンマイでは、こんなに安く暮らせるってのも驚きでした。