日本にも格安料金で上陸する動画配信サイトNetflixの大躍進を背景に、今年2月、自ら「Netflix時代のNews( news for the Netflix age)」と銘打って登場したロイター通信の動画ニュースサービスのReuters TV が、半年であえなく課金を断念、無料になったそうです。

Reuters TVは、iPhone、iPad向けのアプリですが、米英でのみ提供されていて、日本のapp storeではダウンロード出来ません。なので確認していませんが、米国の有力ニュースサイトPoliticoなど複数のニュースサイトが報じていますから間違いないでしょう。(日本からでも米国のapp storeにアクセスしすればダウンロードできるはずですが、そのためには、apple IDの個人情報を米国在住のように全て書き換える必要があり、とても面倒です)

運営母体のロイター通信は、世界160カ国に200の支局があり、計2,500人以上のジャーナリストを抱え、ビデオニュースにも熱心です。その中の選りすぐりを現場中継も含めて素早く提供するのですから、普通のテレビニュースより凄そうだし、月1.99ドルという料金も安い、ということでスタート前から注目を集め、このブログでも紹介したのですが、課金の壁は厚かったんですね。

一体、どのくらいの有料契約者を獲得できていたのかについて、ロイターは明らかにしていませんが、先のPoliticoの記事では、視聴者によるレビューの書き込みが200件もなかった、とありますから、苦戦の一端がうかがえます。

スタート直後のインタビューで、ロイターの編集主幹は「このアプリは未開発の収入源に踏み込む試みだ」「モバイルでニュースビデオを消費者に直接届けることは、だれも本当にはやってこなかった成長分野だと思っている」と、自信をのぞかせていましたが、思うようには行かなかったようです。

で、その無料への転換について、Talking Biz Newsは、ロイターのスポークスパーソンの発言をこう紹介しています。「この転換によって、都会派で世界志向の若いプロフェッショナルな視聴者に対し、より広範にリーチ出来よう」 そしてこうも。「我々の野望は、テレビもウェブをも超えた新たなニュース消費のカテゴリーを作り出すことだ」

先に記した当方のブログ記事で紹介したように、確かに、Reuters TVには工夫が凝らされています。それでも、相応の契約者を集められなかった(多分)。いかに、無料のライバルが多く、その中で課金する難しさを証明しているかのようです。

そこで思い出されるのが、NYタイムズのNYT Nowのことです。当初、週1.99ドルでスタートしたものの、契約者が伸びずに(一説では2万人以下)、1年後に無料化したのですが、これは日本のapp storeでアプリがダウンロード出来たので私も当初から試していました。

で、無料化された時の感想をブログにこう書きました。「アップルが選んだ2014年のベストアプリの一つに入ったほど良く出来た、いわば看板アプリなのにどうしてそんなに不振だったのかフシギ。料金もそんなに高くない。モバイル時代と言いながら、これでダメなら有料ニュースアプリの未来は真っ暗のような・・・・」

とはいえ、Reuters TVもNYT Nowも広告収入に活路を求めての転進です。諦めてはいないでしょう。NYタイムズのトンプソンCEOは同紙のPublic Editorのサリバン女史に、最近こう語ったということです。

「昨日のPrint Dollarsは今日のdigital dimesに及ばない、そしてmobile penniesにはなおさらだ、という構図には同意しない」「それは正しくない。広告主がどこに金を支出するかは、どこに読者がいるかで決めるのだ。それによる収入のパーセンテージは時間消費のパーセンテージに合致する方向に向かう。そう、読者のスマートフォンにだ