前回10日の記事「今年は『完全自動運転車元年』になるか」では、2017年、自動運転車がどこまで進化するかについての「7つのマイルストーン」などを紹介しましたが、実はその記事をアップした日の翌日から、米国ラスベガスで、観光客や市民が自由に乗れる、ハンドルなしの完全自動運転バスのシャトル運行が始まっていました。

走っているのは、フランスNavya社製の動力が電気のArmaです。同社のサイト情報によると、最大収容人数は15人、最高速度は時速45kmとのことですが、地元紙Las Vegas Sunによると、当地のArmaは定員12人で、安全のため時速12マイル(約20km)で運行しているそうです。

場所はカジノ街で有名なフレモントストリートからラスベガスブルーバードとEighthストリートまでの往復。特別なレーンではなく一般の公道を走行しています。時間は昼間の10時から夕方6時まで。誰でも無料で乗れるそうです。


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本当にハンドルなし、運転席なしで運行していて、停留所でドアも自動開閉します。スペック表には無線誘導充電バッテリーで5〜12時間の走行可能とあります。車体は幅2.05×長さ4.75×高さ2.55メートルと小ぶりです。(日本の最高級車レクサスの最高グレードと比べると、高さは1メートルほど高いですが、長さはより短く、幅は30センチ広いだけです)

この、米国では初の試験導入がなぜラスベガスなのか。実はカジノで有名なラスベガスですが、毎年のCES(Consumer Electronics Show)開催や、昨年には革新的な技術を実地に試せるInnovation District を設けるなど、ハイテク志向も高いことをアピールしている街なのです。

で、今回のARMAの導入も、年間4千万人もの観光客やビジネス客が訪れ、市内の交通が自動車で常に混雑している状況打開策のひとつとして目をつけたようです。

今月20日までの期間限定ですが、問題がなければ、今年の夏の終わりか秋の初め頃には恒常的な運行が始まるということです。

その運行コストは、Navya社によると、1台につき、月1万ドルとのことですが、同市の地域開発局長は「乗車賃は出来るだけ安くし、できれば無料にしたい」と、上述のSun紙に語っています。

それは、先のビデオにあるように、車体外部への広告や、車内のディスプレーにCMを流すことで賄いたいという考えで、事実、走行ルートに近い会社から関心が寄せられ、中には停留所にも払いたいというケースもあるからだそう。

ラスベガスは、先のCESとともに、業界関係者だけで総入場者が10万人に達するという米国自動車用品工業会主催のSEMA Showでも有名ですが、その会期は10月末から11月はじめ。その時に果たしてArmaが街中を走り回っているかどうか。

運行されていれば、多くの業界関係者に刺激を与えることでしょう。やはり、今年が「完全自動運転車元年」になるのかな。