英会話がからっきしな当方にとって、夢のようなガジェットです。外国で日本語を話せば、ほぼリアルタイムで相手の「耳」に現地語で届き、その逆もあり、と言う魔法のようなイヤホン—しかもワイアレス—がこの夏以降、次々、登場します。

米国のBragi社の Dash ProWaverlyLabのPilot、オーストラリアのLingmoのOne2One、英国のMymanuのCLIKなどです。その一つ、Bragiのものはこれ。アップルのAirPads登場以来、人気のワイアレスです。充電器にセットされています。本体は5時間保つそう。

これまでも、スマホ向けの音声対応翻訳アプリはありました。日本のNICT(情報通信研究機構)のVoiceTraや、Microsoft Translatorグーグル翻訳などです。

私がスマホに入れているVoiceTraだと、スマホに日本語(or外国語)で話しかけた内容が即座に外国語(or日本語)に翻訳されて画面に表示され、数秒遅れでその翻訳された内容がスピーカーから聞こえるというものです。(マイクロソフトとグーグルのアプリもほぼ同じようです)

VoiceTraを、外国人相手に使ったことはまだありませんが、実際の使い方としては、伝えたいことを自分のスマホに話したら、翻訳内容を相手が聞こえるようにスマホを差し出すようなイメージでしょうか。相手はそれに向かって答えを話す。スマホが行ったり来たりみたいな。

それでも、十分、実用的ではあります。対応言語はVoiceTraが31、マイクロソフトが50以上、グーグルが40もあってほぼ世界中で使え、しかも無料なので、これだけでも凄いと思っていましたら、今度は、イヤホンを耳に入れておけば、スマホの行ったり来たりなしでOKになります。次々と会話が弾むかもしれません。


このビデオは、Business Insider UKがBragi社から提供を受けたものですが、男女が会話を弾ませているのは、双方がDash Proを使用しているからなのですね。イヤホンがマイクを兼ねているのです。

しかし、外国の見知らぬ街でタクシーに乗った時に運転手に行き先を告げる時とか、街中で、通りがかりの人に行き先を訪ねる時には、「このイヤホンを付けてくれ」とは言えません。

そんな時は、自分はイヤホンを付けたまま、自国語で話しかければ、先に紹介したVoiceTraなどと同じように、スマホのスピーカーから現地語に翻訳された言葉が流れ、相手がスマホに向かって喋ってくれれば、自分のイヤホンで自国語が聞き取れるということです。

これを機能させるには、スマホにiTranslate Proのアプリをインストールしておき、必要な時にそれを起動し、このイヤホンと繋がる状態にしておくことが必要です。

イヤホンのお値段は329ドル。Conde Nast Travellerの記事によると、トライアル中は利用料がかからないようですが、その後は月5ドルが課金される模様で、スマホの対応機種は今のところiPhoneだけ、という話です。

この他のPilot、CLIKもネットで見た限りでは、それぞれ日本語を含め何十カ国語に対応するところは共通しますが、Lingmoだけは、日本語を含む8ヶ国語対応と少なめで、ネットに接続しないで機能するのが特徴です。ただし応答時間は他のものより長い3~5秒かかるようで、「instantではない」と断っています。

料金は、それぞれBragiよりやや安い設定ですが、いずれも出荷が遅れているとの情報が多いようです。先行しているかに見えるDash Proも「想定しない需要のため出荷には45日を要する」と告知しています。

どこで買えるのか?MymanuのCLIKのサイトでは、「日本のアマゾンで買える」とありましたが、実際には売っておらず、日本語サイトrakunewで予約販売を取り扱っています。税金、送料、安心サポート料込みで35,190円。英国Mymanuのサイトでの料金表示は219ドルです。

まあ、翻訳の精度がどのくらいなのかは当方には全くわかりませんが、最近はグーグルなどのテキスト翻訳の精度が急速に高まってきているのを思えば、各種音声翻訳サービスにそこそこ期待できるのは間違いなさそうです。これもAIの進化のおかげなのでしょうが、WaverlyLabのトップページにはこうありました。

A World Without Language Barriers

期待したいですね。