今日から新聞週間が始まったそうです。それにちなむ恒例の全国世論調査が昨日(14日)の読売新聞に載っていました。時節柄、フェイクニュース絡みの設問もありましたが、当方の目を引いたのは、「ニュースを知るために、主にどのようなメディアを利用しますか」という問いへの答。

並べられたメディアリストから3つまでの選択ですが、結果は「新聞」が「民放テレビ」と並んでトップで、数字は62%でした。

一方、「自身または家庭で利用している新聞サービス」についての設問で「定期購読(宅配)」をあげた人は64%でした。この似通った数字から、なんとなく「そうか、新聞を宅配で取ってる人は新聞を読んでるんだな」「まだまだ新聞はダイジョーブかも」という感じです。

ですが、記事は、そうじゃないことを正直に打ち明けていました。

詳細は省かれていますが、年代別で大きな違いがあるということです。こうあります。「18~29歳と30歳代は『ポータルサイト』が57%、59%でそれぞれ最も多く、『新聞』は3割前後」「60歳代と70歳以上は『新聞』が79%、85%といずれも1位だった」。

このことから分かるのは、お年寄りほど新聞を定期購読し、よく読んでいる一方、若い人ほど定期購読しないか、家庭で取っていても新聞を手にせず、ネットでニュースを読んでいる、ということでしょう。

この傾向は、ネット関連の調査では定評のあるPew Research Centerが昨年に公表したThe Modern News Consumerの結果と共通します。

「often=頻繁に」ニュースを入手する先は、年齢が若いほどオンラインに偏っています。<オンライン>はソーシャルメディア、ウェブサイト、ニュースアプリの合計です。

ここで衝撃的なのは、18-29歳、30-39歳の「新聞」が、それぞれ5%と10%に過ぎないことです。記事にある、日本のほぼ同年代の「3割」よりずっと悲惨。65歳以上の「新聞」も5割に達していないという深刻な新聞離れです。

その結果、全体で見ても、「often=頻繁に」ニュースを入手する先として新聞をあげる人は20%に過ぎません。

この差は何なのか?考えられるのは日本の新聞の宅配率の高さです。新聞通信調査会が毎年行なっている「メディアに関する世論調査」の2016年版によると、新聞の宅配と同義と思われる「月極め購読」の割合は73.0%でした。

これは、米国のマーケットリサーチ会社AYTMが2年前に行なったという調査結果の宅配率33.4%よりははるかに高いのですが、安心はできません。新聞通信調査会の第1回調査時(2008年)の88.6%から15%以上も減っているのです。しかも、読売の今回調査では「定期購読(宅配)」は64%止まりでしたし。

そして、冒頭のグラフにあるように、「ニュース入手に主に利用するメディア」で、主にYahoo!ニュースだと思われるポータルサイト、各種ニュースアグリゲーターによるニュースアプリ、Facebookやツイッターなどのソーシャルメディア、報道機関のサイトを単純に足し合わせた「オンライン」合計は新聞・民放テレビを抜いて76%にも達します。新聞の足元が揺さぶられているのです。

ロイタージャーナリズム研究所の最新レポートにも「主なニュース入手先」に関するこういうグラフがありました。世界36か国、7万人のオンラインニュース利用者に限っての調査ですが、傾向は同じです。

ここでは55才以上でも「新聞」をメインソースにあげた人は11%止まりです。先に、「この記事が(新聞の置かれている状況を)正直に打ち明けている」と書いた所以です。

なお、読売のこの調査の詳細はまだ自社サイトに上がっていません。(昨年のものは「世論調査のページ」に上がっていますが) 新聞のありよう、課題を考えるのが新聞週間の狙いの一つなら、紙で高齢者に伝えるだけじゃなくネットで若者にも伝えてほしいものですね。