スマートウォッチにはいろんな便利機能があると宣伝していますが、こんなことにも役立っていました。自宅で殺された57歳の女性が身につけていたアップルウォッチが、その容疑者の弁明を覆す有力な証拠として役立ったのです。

これは、先月末、この女性を殺害した容疑で逮捕された26歳の義理の娘(夫と3人の子供がいるとのことですのでこの女性の息子の嫁でしょう)が、保釈を求めた公判で検事が明らかにしました。

いくつかのTech系ニュースサイトでも報じられていますが、ここでは、日本のNHKにあたる、オーストラリアの公共放送ABCの報道を元にします。事件は2016年8月、アデレード郊外のバレービューという町にあるこの女性の家で起きました。

午後10時過ぎに、この嫁さんが、さるぐつわをされ、取り乱した様子で家の外に出てきて、「母親が殺された」と、近所の人に助けを求めたそうです。

駆けつけた警察に彼女が語ったところによると、57歳の女性、つまり義理の母親が、車でつけてきた男たちと家の外で20分ほど言い争っていたが、どのように男たちが母親に致命傷を負わせたかは、ドアが閉まったキッチンにいたので聞こえなかった。その後、家に侵入した男たちに縛りあげられ、間も無く、男たちが出て行ったすぐ後に、外へ這い出て助けを求めた、と当時、供述していたということです。母親は洗濯室で死亡していました。

それから、1年半も経った先月初めに、母親殺しで彼女が逮捕されたとのことです。何がキメ手になったかは明らかではありませんが、アップルウォッチの内臓機能が蓄えたデータが、嫁さんが嘘をついていたことを証明したのが事件解決の手がかりになったようです。

嫁さんは無罪を主張し、保釈を求めましたが、その可否を決める法廷で、カルメン・マテオ検事は、「殺された被害者はアップルウォッチを腕につけていた。それには、つけている人の動きや移動速度を追跡することを可能にするセンサーが入っている。また、脈拍数も測定する。それを分析したところ、容疑者は嘘の弁明をしている」ので保釈を認めないよう主張しました。

亡くなった義母のアップルウォッチは、「被害者がショック状態に陥り、意識を失ったことと矛盾しないデータ」を記録しており、「被害者は午後6時38分ごろに襲われたに違いなく、6時45分ごろには確実に死亡した」ことになることがわかったそうです。

なのに、「容疑者が外に姿を現したのは、母親に攻撃が加えられてから3時間以上も経っている。その間に、容疑者は、血にまみれた衣類の洗濯や始末をしていたと思われる」と述べ、保釈に反対しました。

判事は、この検事の陳述が明らかに強力だと認めて、保釈を拒否したとのことです。本裁判は6月に開かれます。

 

Facebookからの個人データ8700万人分流出が問題になっていますが、一方で、個人データは犯罪者摘発にも役立つ。あらゆることがデジタルで記録される時代の一断面です。