米国発の巨大テック企業群の頭文字をとって、簡単に表現する略称によく出くわします。今日、ニュースサイトAXIOSで目にしたのはFAANGでした。ちゃんとカッコ内に (Facebook, Apple, Amazon, Netflix and Google)とありました。

なんの脈絡かというと、米国の株式市場を支えているのは、テック企業株で、特にこの5社の貢献度が高いというストーリーの中で出てきました。

まあ、米中貿易摩擦が取りざたされるまでは、米国市場は堅調だとばかり思っていたのですが、最近出たという、Bank of America Merrill Lynch の今年上半期に関するリサーチノートによると、米国株式の代表的な指標の一つS&P500について「もしFAANG株がなければ上半期はネガティブ(マイナス)だったろう」とあったそうです。

記事にあった「リサーチノート」にリンクがあったので飛んでみると、「テック株はS&P500の値上がりの98%分に貢献(Tech stocks contributed 98% of the S&P 500’s 2018 gain)」という見出しが。

筆者はフィナンシャルアドバイザーで、「S&P500は、今年前半2.6%の値上がりだったが、テック株はその2.6%のほぼ全部に貢献した」とあり、キャピタルゲインに配当などを加えたトータルリターンベースでみると、その98%を担った」「もしFAANGを除くとトータルリターンはマイナス0.7%だったろう」という情報を紹介しています。

そこに添えられているグラフの一つがこれ。

実経済だけでなく、米国株式市場でも、いかにFAANGの存在が大きいかを示しているのでしょう。

Axiosの記事には、経済ニュース局のCNBCの記事にもリンクがあり、そこでは、世界最大級の資産運用会社BlackRockのCEOが「S&P500は今年5%近く上がったが、美味しい部分はテック株がとった。Amazon、Netflix、Microsoft、Apple(MAAN?)がリターンの83%を担った」と述べたことを紹介しています。

また、10日付けのCNBCの記事では、Amazon、Netflix、Microsoft(MAN?)の3社だけで、S&P500のリターンの71%に、もう一つの代表的指標Nasdaq100のリターンの78%に貢献していると報じています。

これらの、どこにも顔を出すNetflixですが、16日の株式市場の取引終了後に公表した第2四半期の決算数字が、収入、新規加入者数が共に事前予測をわずかに下回ったため、その後の時間外取引で14%以上も値下がりしました。

米国株式市場、いびつなテック株頼みの様相なんですね。で、そのテック株もわずかな材料で大きく値が動くようでは、内実は堅調とは言い切れないように見えます。