数日前にネットで目にした記事の見出しが気になって、本文を読んでみました。<Hi-Def Video Feeds Added To Shirts, Hats>ー高解像度のビデオ番組をシャツや帽子に追加、という記事です。

なんでも、モスクワで行われたサッカーW杯の決勝戦のスタンドで披露されたとのことで、シャツや帽子に貼り付けた超薄型フレキシブルディスプレーに確かにビデオ映像が流れている様子が、メーカーのサイトにありました。(ビデオはこちらから

作ったのは画像にあるように中国・深圳にあるRoyole(柔宇科技)という有機ELの会社です。

ディスプレーに映し出される映像はスマホから送られたものです。撮影したものをリアルタイムで流すことも、スマホで受信したストリーミングビデオを流すことも、あるいは事前にスマホに蓄えておいたビデオや静止画を映し出すこともできるようです。

それを帽子やTシャツなどのディスプレーで見られるのは、世界最薄、なんと0.01ミリというRoyole社の折り曲げ自在のフレキシブルディスプレーとフレキシブルセンサーのおかげだそうです。

迂闊なことに、フレキシブルディスプレーがそこまで進化していることを初めて知りました。それを実現したRoyole社に興味を惹かれ、ググってみました。そこで出会ったのが、創業者にしてCEOのビル・リウ(刘自鸿)氏についてのForbes Japanの記事

それによると、リウ氏は、現在30台半ば。中国の名門・清華大学を卒業後に留学したスタンフォード大時代に、フレキシブルディスプレーのアイディアを思いつき、帰国後、2012年にスタンフォードの留学生仲間など5人で起業、6年後の今は従業員1000人を超えるまでになったそう。

フレキシブルディスプレーのトップランナーに見えますが、日本での知名度は?。そこで日経テレコンで「Royole フレキシブルディスプレー」で検索したところ、日経全紙と全国紙のどこにもヒットしませんでした。

中国を除けば、おそらく、世界的にもそうなのかも。そこでW杯決勝戦で、おそらくはゲリラ的なプロモーションをかけたのでしょう。(それに、私も乗せられたw)

それにしても、Tシャツや帽子のディスプレーってどういう使い道があるのか?Royoleのサイト内では「あなたの個人的な情熱、政治、創造性などをダイナミックにビジュアルで表現できる」などとあります。また「究極のモバイル広告板としてなら人目をひくのを保証する」とも。なるほど。

とはいえ、ネックはお値段。11月までの期限付きで注文を受け付けていますが、ディスプレー付きTシャツ/帽子とも900ドル。セットで買うと1400ドルにディスカウントだそうですが・・・

何れにしても、これは「Limited Edition」とあり、注文期間も限定しているところから、話題作りの色合いが強い感じです。フレキシブルディスプレーの使い道は今後、色々出てくるはずです。昔々、ちょっと話題になった「広げれば紙の新聞と同じ紙面が映る折りたたみディスプレー」なんていうアイディアも復活するかも。

(蛇足ながら、洗濯などの際には簡単に取り外しが出来る、とあります)