Coming to a TV near you:personalized ads>ーあなたのそばのテレビにあなた向けの広告がやってくる。

まあ、デジタル技術は次々と新しい事を実現してきましたから、ありうることかも、とは思いましたが、OSもブラウザもなく、ましてネット接続されていない普通のテレビにどうやってパーソナライズされた広告を流すのか?不思議です。

というわけで、この見出しに惹かれて、AXIOSの記事を読んでみました。

まず「このテレビ技術の最新のトレンドは”addressable” adと言う」とあります。宛先が決められる広告、つまりパーソナライズ広告、ターゲッティング広告ってことですね。

これを、ほとんど全ての大手テレビネットワークやプロバイダーが年末までに展開するだろうと言うのです。

ただし、それは、既存のというか伝統的なテレビチャンネルに登場というわけではなく、ストリーミング放送で実現するというのがポイントです。

Netflixに代表されるストリーミングビデオの人気で、ケーブルテレビ契約を解約する人々が増える中で、既存のテレビ業界もストリーミングに活路を見出そうということのようです。スマホ、パソコンだけでなく、アマゾンのFire TV Stickなどを使ってリビングの大画面テレビでも見られるように。

そこには、今までのような、ターゲットが定まらないままのテレビCMではなく、視聴者のプロファイルに見合ったデジタル広告を流せばスポンサーも増えるし、無料ストリーミングならテレビ離れを少しでも食い止められるのではないかということのよう。幸い、そこにはデジタル広告市場を席巻するGoogleもFacebookも進出していないし・・・

ということで、筆者の記者によると、先週だけでもケーブル大手Comcast傘下のNBCUniversalやMTVなどを持つViacomなどの動きが相次いだとし、AT&Tもこの動きを加速させているとのことです。

しかし、どうやって、パーソナライズ広告を実現するのか?<How it works>のくだりを読むと、こんなことが書いてあります。

「TVネットワーク局やケーブル・衛星テレビ事業者、またはHuluのようなデジタルテレビ会社は、たくさんのチャンネルから好みの番組を選ぶのに使うSTB(セット・トップ・ボックス)で得られるデータと、あなたがウェブを閲覧したことで生み出されるデータと結合させる。それで、あなたが好みそうな広告を選んで送る」

「ウェブを閲覧したデータ」ってことは、基本的にパソコンやスマホを使ってのことでしょう。そのデータをどこからどのようにテレビ局やケーブル事業者が取得するのか、技術に疎いのでサッパリわかりませんが、Fischer記者はこの件に関連する記事を何本も書いていて、業界のトレンドに詳しいようなので、概ね、そういうことが可能なのでしょう。

しかし、ターゲットを細かく設定して個々人に合ったCMを流すには、今のテレビCMように一種類で全国民向けにOKなのより手間もお金もかかります。そのための製作コストを下げれば訴求力が下がるかもしれません。

その反面、低い製作コストで、限られた視聴者層に届けたいという広告主が多く現れるかも知れませんが、あまり旨味はないかも。でも、テレビ離れの現実では、背に腹は変えられないということでしょうか。

これって、新聞社が今、置かれている世界と近いかも知れません。全国ほぼ一律の紙の新聞広告こそが、新聞社の広告収入の大宗で、新聞社サイトに現れるディスプレー広告、閲覧履歴から関連する内容のものを出して対応しても、大した収入にならず、部数減による紙の広告収入を補えていないという現実に。

ま、それでも既存メディアは努力を重ねるしかないのですが。