素敵な話です。ソーシャルメディアが広く社会に浸透し、新たなアプリも登場しているからこその美談誕生でしょう。
先週、米国北東部は歴史的寒波に見舞われました。シカゴではマイナス30度になったという報道もあるほどで、各地での凍死者は二桁に上ったとか。
そうした中、シカゴ市内の高速道路近くにテントを張り、寄贈された100本ほどのプロパンガスタンクを使って暖をとっていたホームレスの一団について、市の消防本部が「火災になる危険がある」としてそのタンクを押収したそうです。
それが、寒波が一番厳しかった1月30日のこと。それを耳にした一人の黒人女性Candice Payneさんが、市内のホテルAmber Innの客室を『衝動的に」Amexのカードで予約します。
その予約室数は「30室」。とにかく、寒さに震えるホームレスを収容したいという一心だったそうです。
そして、これがネット時代らしいのですが、彼女はすぐにInstagramで見知らぬ人々へ援助を呼びかけるのです。それがこの投稿画面。
<死ぬほど寒い中、ホームレスのために、なんとか部屋は確保したんで、彼らのホテル代が必要。それにホームレスを運ぶ車をお願いね>ってところでしょうか。
これに、何千もの「いいね」が付き、何百もの「コメント」が寄せられます。そして即座にボランティアの「輸送キャラバン隊」が出来、ざっと100人あまりのホームレスをホテルに運び込んだそう。
そしてこの人数に30室では足りないので60室に増やして、全員を収容します。ホテル側も協力し、70ドルの部屋代を値下げした、とNYタイムズの記事にはあります。
また、「善きサマリア人の行い」と見出しに取ったChicago Tribuneの記事では、衣類や食料の寄付も相当にあったよう。
この動きは、Twitterでもたくさんのコメントを集め、これに触発された多くの市民が、続々、弁当や衣類を差し入れに来る様子はCBSシカゴが報じ、映像が捉えています。
それだけではありません。日本では普及してないようなので、私も詳細は承知していませんが、スマホでインスタントにお金を送金できる「Cash App」で、Payneさんのアカウントに続々とお金が送られてきて、その額は1万ドルを超えたそう。
これで、Payneさんは食料のほか、洗面道具などの日用品を買い揃えてホームレスの人々に提供したのです。滞在も寒波が厳しい一晩のつもりでしたが、思いの外、寄付金が集まったのに加え、ホテル側のディスカウントもあって、今月2日、土曜日まで滞在出来た由。寒波はとっくに去っていました。
こんなムーブメントを起こしたパワフルな彼女は自身について、NYタイムズにこう語っています。
「私は当たり前の人間よ。まるで金持ちのように思われるかもしれないけど、私は(シカゴで最も危険地域とされる)サウスサイドからやってきたちっちゃな黒人ガールなの」(Instagramにある彼女の写真をみるととてもグラマラスで、リトルガールとは言えませんが、こういうのも明るいアメリカ人のジョークなのでしょうw)
そして、こうも言っています。
「こんなことは出来ないことだろうと思ってた。でも、世界中から助けにやってきてくれた人を見て、そうじゃないと思った。私たちは一緒にやれるのよ」
彼女は実際には不動産仲介の会社を経営しているようです。そして、今は、シカゴでホームレスを助ける別の方法を組織化することを考え始めたようです。
Payneさんの行動力にネットのパワーが加わって実現した今回の活発な動きを見れば、それは、無理なようには全く思えません。
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