昔の仕事柄、いろんな世論調査に関心を払ってきましたが、昨日、実にユニークな調査に出会い、その生データを熟読していて、ネット時代を支配するGAFA(Google/Apple/Facebook/Amazon)の一角、Facebookが同業者に最も嫌われているハイテク企業になってしまったことを知りました。

それを知ったきっかけはBuzzFeed Newsの記事でした。見出しは<Survey: 51% Of Tech Industry Workers Believe President Trump Has A Point About The Media Creating Fake News>という長ったらしいもの。

要するに、シリコンバレーのハイテク企業で働くプロに限った1000人の世論調査をしたところ、その過半数(51%)は、「メディアはフェイクニュースを作ってる!」と言うトランプ大統領の言い分に一理ある、と信じてるというものです。

そういう見方は、これまで当ブログで紹介したように、共和党支持者には多いのですが、民主党支持者には少ない。そして、一般にシリコンバレーの住民はリベラルで民主党寄りだと思われていましたから、それが強権的な姿勢が目立つ共和党・トランプ大統領の肩を持つことに意外感がありました。しかも、その数字は、同じBuzzFeed Newsが一般人を対象に行った時の「42%」より高いのだそうです。

それはそれでニュースですから、BuzzFeedの編集者は、見出しに取ったのでしょう。この他にも、「メディアはあまりに男女同権主義者になっている」「白人男性に不公平だ」「取材記者は知識不足だ」という見方も横溢しているようです。

なぜ、メディアに辛辣な見方が強かったかというと、ここ2年ほど、メディアが繰り返しシリコンバレーのGAFAをはじめとするハイテク企業やそのリーダーたちへの批判記事を出し続けることへの「不満や反発が蔓延している」ことにあるようだ、と記事にはあります。

そのほか、いろんな角度から、シリコンバレーのプロたちの意識を探っていますが、冒頭で私が熟読した「生データ」というのは、ハイテク業界の著名企業18社をリストアップし、その各社名の下にそれぞれ22の単語を並べ、その企業のイメージに当てはまるものに回答者がチェックを入れた結果の一覧でした。

ABC順に企業名が並んでいるので、その一例として、先頭にある宿泊予約サイトAirBnBの結果をご覧ください。右側は回答者の所属する企業規模別に見たものですが、ここでは無視します。

単語は上から、挑戦的、傲慢、偏向、体制順応、物議を醸す、搾取的、イラつく・・・・などと続きます。このAirBnBで一番評価が高かったのは「顧客本位」(Customer Oriented)で、38%のハイテク業界の仲間がそのように評価しました。一番下にある二つは22の単語への反応から「肯定的」イメージと「否定的」イメージの割合を見たもので、この場合は肯定的要素は70%、否定的要素は59%だったということで、まあ、可もなく不可もないという感じでしょうか。

ということで、18社の全てを眺めたわけですが、最悪だったのが、個人情報を海外にまで大量に流したことなどでメディアや議会で槍玉に上がったFacebookだったということです。

40%を超えた否定的な単語ですと「物議を醸す=50%」「秘密主義=47%」「搾取的=45%」「傲慢=41%」「イラつく=40%」という具合。

肯定的な単語だと「尊敬できる=18%」「腰が低い=15%」「責任能力がある=19%」となり、他と比べて飛び抜けて低い数字でした。結局、総合的に見た「肯定的」イメージは69%にとどまり、「否定的」イメージは82%に達しました。

GAFAのうち、残り3社を見ると、Googleだと「革新的」「リーダー」「組織化」「安定性」「尊敬できる」で40%を超え、結果、肯定的=87%、否定的=66%でした。

Appleは「革新的」「リーダー」で50%を超え、「顧客本位」「安定性」で40%台。肯定的=89%、否定的=76%。

さらにAmazonは、「顧客本位」「リーダー」で50%後半、「革新性」「組織化」「頼れる」「安定性」でそれぞれ40%台後半という高い評価で、否定的=73%に対し、肯定的は91%と、その他の企業を含め、最も高い数字になりました。

その他をざっと紹介するとIBMは肯定的=88%に対し、否定的は62%と最も低かったのが目につきます。マイクロソフトも肯定的=87%で否定的が65%止まりでした。IT老舗企業の貫禄でしょうか。

最も否定的評価が低かったのはなんと韓国のサムスンで61%、肯定的も81%です。信頼性や革新性に高い評価が集まりました。日本人が思う以上にサムソンの米国での存在感は大きいのを実感しました。

別の調査項目では、これらのハイテク企業の社会的インパクトについて「肯定的なインパクト」「否定的インパクト」に分けて聞いてもいます。ここでも、サムスンの評価は高く、肯定的なインパクトを与えているとするシリコンバレーのプロが75%もいたのに対し、否定的なインパクトを与えていると回答した人は7%しかいません。

また、この点でもFacebookの評価は最悪で、肯定的インパクトが46%に止まったのに対し、否定的インパクトを与えているは32%に及びました。Google、Apple、Amazon、IBM、マイクロソフトなどはいずれも、肯定的インパクトを社会に与えていると回答した人が70%を超え、否定的インパクトは6〜11%に止まっている中で、Facebookへの低評価が際立ちます。

また、回答したハイテク企業の従業員が、日常的にニュースを見たり読んだりしている報道機関や、それへの評価一覧などもあって興味が尽きません。ちなみに、こんな読みでのある調査を企画したBuzzFeedの社会的インパクトの評価は「肯定的」が46%で「否定的」は15%という微妙な結果になりました。