このブログを書き出して10年以上になりますが、この奇想天外、驚天動地なアイディアとデザインに及ぶものはなかったように思います。

その名はレストラン「Sushi Singularity(寿司超越)」。日英二か国語のサイトがあるのですが、日本語サイトには「寿司の特異点を超越せよ」とあります。

そしてこうも。「寿司は人智を超越し爆発的なスピードでアップデートされてゆく」「人類は寿司について、未だ何も知らない」

ますますチンプンカンプンでしょう?世界中で人気上昇の日本の握り寿司がアップデートされるってどういうこと?

では、順番にご説明します。まず、これは米テキサス州オースティンで17日まで開かれている世界最大級のトレードショーSXSWに日本の電通が主体になって展示されているものです。

それを紹介した地元オースティンのテレビ局KXANの記事designtaxiの記事、そして先に紹介したSushi Sngularityのサイト内にある説明ビデオを総合して概略を知ることができました。これがそのビデオ。

出品名は「Open Meals」。なんでも2020年に東京に実際にお店を開店するという想定だそう。ここで寿司を食べるには予約が必要で、予約が通ると、店から “health test kit”なるものが送られてきます。そのキットの写真が、ご丁寧にInstagramにあります

これで何を調べるか? なんと!、予約した人は、自分のオシッコとウンチをこのキットに採取して送り返すのだそう。

で、お店では、このオシッコとウンチのサンプルを解析して、そのお客さんに欠けている栄養素や遺伝子コードなども調べて、最適な栄養素も練りこんだSushiを3Dプリンターで作って提供する、というコンセプトだそう。

実は、この「Sushiを3Dプリンターで」というアイディアは昨年のSXSWで紹介されたとのこと。昨年のものは、東京で寿司屋のオヤジさんが握った寿司のデータをインターネットで外国に送り、その形通りにプリントアウトしたSushiをお客に提供という「転送寿司」というコンセプトでした。

これは、シロートでも、理屈はなんとなく理解できるし、形もギザギザではあるものの原形に近いので、受け入れやすい感じです。

が、しかし、今年のコンセプトに基づく「Sushi」の形状は超過激です。笑っちゃうほどです。Instagramにもありますが、プレスキットでまとめて紹介されているものをお見せします。

その名称は、上段左端は「粉末焼結雲丹」、その右に「細胞培養マグロ」「オーゼティックかっぱ巻」「ネガティブステッフネスハニカム蛸」と並びます。ついでに下段も左から「イカ城」「マイクロピラー穴子」「アニソトロピックスティフネス蒸し海老」「出汁スープユニバース」ですって。

そして、こういう「寿司革命」を宣言を掲げるのです。

いかがですか。江戸前握り寿司大好き人間としては、別に寿司革命が起こらなくてもいいんですが、KXANの記事では、「この展示は大きな関心を呼び、写真を撮る人がいっぱいいた」と書いています。

それに、出品者名には、あの電通の他、デンソー、東北新社という大所に加え、山形大学まで並んでいるのを見ると、あながち100%の冗談でもないんでしょうね。その基本的な考えは「第5次食革命を起こせて」って題したプロジェクトにあるようです。

ま、一部のネットメディアのように「2020年、東京店開店」ってのを真に受けないように。