オレオレ詐欺が頻発する日本。日本人って人を信用しやすいお人好しかと思っていたら、世界的に見ると、とても疑り深い国民のようです。とりわけ女性が。

今日は終戦記念日ですが、日本人は先の悲惨な戦争体験から、”お上”やメディアを簡単には信用しない習性を身につけたのかしらん、などと妄想してしまい、調べものの途中で出会った、この興味深い調査データに見入ってしまいました。

「2019 エデルマン・トラストバロメーター」(PDF)というもので、世界的なPR会社エデルマン社が2001年から毎年行っています。2019年版は昨年10月から11月まで世界27か国(香港を含む)3万3千人を対象にオンラインで行われました。

公表は半年ほど前のようで、日経テレコンで検索したところ、日本の新聞で報じたところはなく、一部のネットメディアがエデルマン・ジャパンが公表した「日本特集版」について報じていただけですので、元データによっての世界比較で、かいつまんでまとめてみます。

まず、”お上”、すなわち自国の政府を信用するかどうかのランキングです。

世界平均は47%ですが、日本は下から10番目の39%で世界17位です。日本より下位の”先進国”はフランス(32%)だけです。

(なお、「信用するか?」の問いに参加者は1~9のレベルで回答しました。「1」なら全く信用しない、「9」なら完璧に信用する、という具合で、6から9までの人を「信用する」に分類したそうです。色分けしているのは、6から9までの人の割合が5割に達しない国を「信用しないグループ」とし緑で表示、6割以上の国を「信用するグループ」としてブルーで表示しています。その中間はグレー。また各バーについている丸の中の数字は前年比較です)

次はメディアです。

世界平均は47%ですが、日本人でメディアを信用する人は35%に過ぎません。ビリから4番目の23位。その下にいるのはロシア、トルコ、アイルランドのみ。ちなみに韓国は42%、米国は48%です。

企業についてはどうか。

世界平均は56%ですが、ここでも日本は下から5番目の44%で22位。韓国がビリから2番目で、中国がトップというのが少々意外です。

さて、この企業がらみでは、別の問いもありました。自分の雇用主を信用するかどうか、です。結果は6割以上のブルーグループで占められ、世界中で雇用主との強い関係が見られますが、日本と韓国だけは6割以下でした。

社長、経営陣を信用する人が少なければ、「企業は社会を改善する事が出来、そしてうまくやっている」という問いかけに同意する日本人も少なくなるわけで、「同意するかどうか」の二択で、日本は51%しか同意せず、最下位に沈みました。韓国だって65%です。世界平均は73%.

かって、日本のサラリーマンは社会人ならぬ「会社人」と揶揄されました。それほど”愛社精神”があったのかもしれませんが、今は、経営陣も企業の社会貢献も信じなくなってしまったかのようです。

そのほか、NGOについて信用するかどうかでは、世界平均は56%ですが、日本は38%でビリから2番目。EUについても38%で、ビリから2番目。国連についても同様で39%。最下位は全てロシアでした。

そして、もっと悲しいことに、「自分と家族の将来は5年以内によくなると信じてる」との問いかけでは、日本はなんと最下位に沈みました。政府も、メディアも、自分の会社も、そのボスも信じられなければ、当然のことかもしれませんが。

黒とグレーの棒グラフですが、これは黒が一般大衆、グレーが知識層の回答を示しています。つまり、日本の一般大衆のうち16%しか、今後、生活が良くなると思っていないということです。その割合は韓国では39%もあります。またトップ3はコロンビア、インドネシア、インドで、上位には途上国が並びます。

また、日本は男女ギャップがとても大きいことも明らかになっています。

先に紹介したうち、企業、政府、NGO、メディアの4分野で「信用する」と答えた日本人男性は総合すると44%でしたが、女性は34%に止まっています。ギャップは10%。これより高かったのは米国(11%)とドイツ(12%)だけでした。

また、この34%という女性の数字より低かったのはロシアの女性の31%だけです。ロシアの国情を考えれば、日本の女性は事実上、世界で最も猜疑心が強い?と言えるのかも、という次第です。ま、男性の44%というのも、世界で4番目に低いんですが。なお女性の方が信用する度合いが低いのは世界的にそのようです。

(なお、調査報告の後半に、一般ニュースや情報のソースとして何を信頼するかの経年グラフがありました。ここではひところ58%まで落ちていた新聞、テレビなどの伝統メディアが65%まで向上、サーチエンジンと並んだのが目につきます。なお、右端、上から、ブルー=伝統メディア、青緑=サーチエンジン、緑=オンラインメディア、紫=オウンドメディア、灰色=ソーシャルメディアです)