昨日、「米国のコロナウィルス罹患者は最大1億5千万人になるかも」という恐ろしい記事を目にしました。人口の半分ですからね。

その発言者はDr. Brian Monahanとあり、その肩書きはthe attending physician of Congress and the U.S. Supreme Courtとのこと。調べてみました。要するに連邦議会議員、最高裁判事全員の「主治医」ということで、議会職員や最高裁職員まで含めて医療福祉全般の面倒を見る相当な職位のよう。

モナハン博士は2009年にオバマ大統領に指名された人物で、海軍少将でもあります。

その立場の人が発言するわけですから、いかに、米国がコロナウィルスの脅威に怯えているかがわかります。

今日の報道でも、米国の罹患者は全50州に及び、5800人以上で死者は107人に達しました。

読売政治部時代に敏腕記者として鳴らし、今はロサンゼルス在住のジャーナリスト高濱賛氏は「米国は戦場と化した!」という記事で「米国民は、米疾病対策センター(CDC)のアン・シャカット首席局次長(医学博士)や国立アレルギー・感染病研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長(医学博士)の言っていることは信用するが、大統領は信用しない。そんな感じすらがする」と書いていました。

その意味で、専門家のモナハン博士の発言も、数多くのメディアで報道され、同様に国民に衝撃を与えたことでしょう。

とはいえ、再選を目指すトランプ大統領、手を拱いているわけにはいきません。就任当初から敵対視し、滅多に会見しなかったWHCA(ホワイトハウス記者協会)相手の会見を繰り返し、自らの存在感を示すのに躍起です。

そのニュース映像を見て気がついたのですが、ホワイトハウスの会見室に記者がまばらです。APの写真を借用します。

WHCA加盟の記者たちも大統領を見限ったか、あるいはみんな在宅勤務で会見に出てこないのかと思ったら違いました。

AXIOSの記事によれば、Hearst、Meredith Corp.、Penske Media Corporation、The New York Times、The Washington Post、The Los Angeles Times、BuzzFeed、Business Insider、Refinery29、New York Magazine、Politico、Axios、WarnerMediaなど大どころのメディアは軒並み、従業員が在宅勤務することを奨励しているそうです)

WHCA側が自発的に、記者が一人おきに座ることにしたせいでした。日本の首相官邸の記者会見室の場合は記者クラブ(内閣記者会)の記者は好きな場所に座りますが、ホワイトハウスの会見室では、WHCAで自主的に定めた席順があります。2017年当時のものですが、大きな変化は最近までなかったはず。

1列7席で、7列の計49席。日本の新聞社などの特派員はこの7列のさらに後ろに立って取材するしかないようです。

で、最近の映像でスカスカになったのはコロナウィルス対策で、記者と記者が接触しないようにしたんですね。座れない椅子には「注意!接触を避けるためにこの席は座れない」という張り紙が。

このため、従来は着席出来たいくつもの著名な報道機関が、立ちんぼ組になった模様。ググってみましたら、その新着席図が見つかりました。半減の25席です。

最前列はテレビ局だけですね。従来の最前列だったAPとロイターはCBSとともに第2列へ。そこから押し出されたWSJ、WaPo、NYTの三大紙はブルームバーグとともに3列目にという具合。

目立つのはBBC、FT、Guardianの英国系が軒並み席を失っていることです。ま、「FOREIGN POOL」という一席がありますが。半減の中でPOLITICOやTHE HILLというデジタルメディアが席を確保しているのも印象的です。

そこで、日本の場合はどうかと思いたち官邸報道室に問い合わせました。その回答によると、会見室には120席ほどあるが、満席の時は少ないので、前後左右1席づつ空けて座るように要請しているとのこと。また、椅子の間隔も従来の50cmから75cmに広げて配置し直したよし。それなりに考えていることが確認できました。

でも、何とは無しに、日本の官邸記者クラブの規制が緩く思えるのは、前述の高濱氏の「米国は戦場と化した!」というほど、日本の現状は切羽詰まっていないことの反映かもしれません。

それはそれでいいことだけれど、米国では「東京五輪だって? それどころじゃないよ。予定通り開催するなんて、問題外だよ。You’re kidding me(冗談だろ)」という声だらけだと高濱氏が書いているのが気がかりです。