今朝(5月30日)の読売新聞の解説面に「コロナ長期化心のケア」をテーマに福島医大の前田正治教授の長文インタビュー記事が載っていました。

前田教授は「こころの医学講座」の主任教授で、東日本大震災の経験も踏まえて、「失業による自殺」をもっとも心配するとのことで、それが見出しにもなっています。

ただ、私は、前田教授が、「心のケアのために電話をもっと活用すべきだ」とし、国連の関連機関IASCがまとめたマニュアルにも「高齢者への連絡は電話や定期的な戸別訪問で、とある」などと述べていることに惹かれました。

実は、昨日、CATVやブロードバンド、電話事業で米国中堅どころのCoxCommunicationsの、高齢者支援プログラム「One Call a Day」のCMフィルムを目にしたばかりだったからです。まずはご覧ください。

ADWeekの記事によると、これはCoxの従業員の50人余りがボランティアとして、コロナウィルス 蔓延で、自宅から一歩も出ら図、孤立している高齢者に、毎日一回、電話して、必要なことはないかと尋ねたり、励ましたりする奉仕活動とのことです。

また、広告業界向けのLittle Black Bookによると、パンデミックに直面して、高齢者には恐れや孤立感が高まっている中で、「シンプルな電話が、人生を変えるほどのパワーがあることを示している」と、このフィルムを製作したクリエイティブエージェンシー180LAの幹部が語っています。

さらに、abancommercials comによれば、コロナウィルス にとても敏感で、家族や仲間から離れて孤独な高齢者にとって嬉しい「サプライズコール」だと、手放し。演出もあるのでしょうが、出演者は、実際に電話を受けている方々で、なんだか冗談も交わしてるようで、とても嬉しそう。

そこで、記事はこう続きます。「この気分を高揚させる会話を見てください。単なる電話が、人を変え、多分、人生さえ変える力になるのです」

Coxの高齢者支援はこれだけではありません。Virtual Senior Centresというのもあります。全米的なロックダウンで、各地の高齢者施設(senior center)のドアが閉まり、外出できない入居者を、他の施設や地元コミュニティとネットで繋ぎ、友人らと再会したり、新たな仲間づくりをしようという試みです。これもご覧ください。

これは、サンディエゴのオアシスシニアセンターのご老人たちが、活動してる模様をまとめたCMですが、いろんな活動もしてるようですね。途中に出てくる告知板には「月曜午前9時 麻雀」「火曜10時 裁縫」「水曜10時 哲学」・・・とあります。

他にも、グループアートとかエクササイズもあるようで、部屋の中で、活発な活動ができるように支援しているのが窺えます。

そして、このCMの最後はこうです。「もし、この時期が我々に何かを教えたとしたら、コネクションが全てということだ」

テレコム企業らしいメッセージでしょうか。

なお、冒頭で紹介した前田教授の講座には、IASCの許可を得て作成したマニュアルの日本語訳があります。

そこには「高齢者のストレス対処への支援」という項目があり、要約すると、こう記されています。

「高齢者は情報源が限られ、免疫システムが弱く、死亡率も高い。一人暮らしや近親者のいない高齢者には特に注意を払ってください」「高齢者はラインアプリなどのメッセージアプリを用いないか、難しい場合がある。なので、高齢者に連絡する最良の方法は電話の使用」

そうです、Coxのこのプログラムが示唆するのは、「皆さんも、知り合いに孤立した高齢者がいれば、電話をしてあげましょう」ってことでしょうね。