新型コロナウィルス による国内・都内の新規感染者は次第に増えて、ちょっと不気味ではありますが、まだ3ケタ台。このところ毎日のように覗いているNYタイムズのデータベースによれば、米国の新規感染者は16日、17日と続けて7万人を超えて、それこそ日本とは2ケタ違い。

そこで、以前にも紹介しましたが、米国メディアの編集局員のレイオフ、無休休暇、閉鎖を追っているPoynterのこのリストも長くなる一方です。経済の停滞で、広告が入らなくなって、みんな苦しんでるのですね。

それは、コロナ罹患のピークは過ぎたはずの英国でもそうでした。日本でもよく知られている二つのメディアが相次いで大量の人員削減を公表したのです。

有料読者にのみ記事へのアクセスを認めるpaywallを築かない一方、オンライン読者からの寄付を要請して、一定の成功を収めていると見られていた日刊紙Guardianとその姉妹紙で日曜版のObserverの親会社Guardian Media Groupはつい先日、突然180人の社員削減プランを公表しました。

その内訳は広告、販売、イベント担当などで110人、編集部門で70人だそう。

編集局長とCEOの二人による共同声明では「コロナウィルス によるパンデミックで、持続不可能な財務見通しとなったため」としています。収入は2500万ポンド(34億円)、予算より下回るのだそう。

だから、今、コスト削減になる人員カットを決断しないと、会社は持たないというのです。

その一方、「Paywallを設けないという我々のユニークな読者との関係は成功している。戦略は正しかった」とし、窮地に陥っても、デジタルの有料化はしないと言明しています。

で、Guardianとしては、人減らしと同時に、世界中の読者からの寄付を募る路線を強化する方針のようで、従来はトップページにあった「支援金のお願い」の表示は、長くなって、各記事ごとに表示されます。

(昨日、アクセスしたら「日本から来たあなたは過去9ヶ月に119本の記事を読んだ云々」という件まであって、ちょっとビックリ。しかし、クレームがあったかどうか知りませんが、今日はその本数表示はありません)

日本のNHKみたいな存在のBBCも、今年1月に公表した報道局450人削減に加えて、さらに70人を上乗せすると発表しました。その2週間前には、地域テレビニュース、ラジオ、オンラインなどの要員450人も別途、削減すると発表したばかりでした。

公共放送ですから、TVライセンスフィーなる、NHK受信料に相当するものが主たる収入源として安定的にあるはずですが、ここでもコロナパンデミックが関係しているとのこと。

どういうことかというと、コロナウィルス 蔓延の取材に追われて、計画していた450人削減が全く進んでいなかったことをCNNビジネスの記事は指摘します。

ジョンソン首相はBBCの運営方法に不満を持っており、TVライセンスフィーの見直しを視野に入れているそうで、BBCとしてはパンデミック前から1億2500万ポンド(168億円)の支出抑制を目指していました。

そしてコロナ禍の中で、TVライセンスフィーの徴収も遅れが出ているようです。また、予算の4分の1ほどはBBCワールドニュースなどのビジネス活動からの収益を当てているそうですが、それらもパンデミックで不安定になっているのが資金不足に影響していることを、Tony Hall会長が指摘しています。

ともあれ、BBC全体で1000人近くも削減するのですから大変です。報道局のFran Unsworth氏は「こう言っています。(写真はBBCのページにある巨大なメディアセンター)

「我々が変わらなければ我々は生きながらえない。コロナ危機で、私たちは組織としてどのように運営していくかを正確に再評価する必要があった。BBCニュースが繁栄し、すべての視聴者にサービスを提供し続けるためには、私たちが変わらなければなりません」

冒頭で<make change>と言い、最後は<have to change>と結んでいるのが印象的です。(changeはオバマ大統領の決め台詞でしたね)

日本は、go toトラベルを巡って騒ぎになる程度で済んでいるのは、日本のメディアにとっても、まあ、ありがたいことなんでしょうね。make changeしなくても済んでるし、いっとき、大幅に減った新聞のチラシもだいぶ元に戻ってきたみたいだし。