米民主党の党大会が終わりました。バイデン・ハリスがトランプ・ペンスの共和党に挑むわけですが、世論調査ではバイデンがリードしていると伝えられます。
しかし、先日目にした記事では、大統領選に向けたサイトへのトラフィック数は、7月の数字でトランプ側が1490万に達し、バイデン側の360万でした。なんと4倍にも達しているということです。
何故、こんなに違うのか?現役大統領ってこともあるのでしょうが、記事には、「その6割(正確には58.8%)は、二つの極右サイトからのものだ」とあり、その名称は「The Gateway Pundit」(GP)とCitizen Free Press(CFP)の名称をあげていました。
前者のGPについてはフェイクニュースと陰謀論を広めるサイトとして有名で、何度か覗いたことがありましたが、後者のCFPは初耳でしたので、アクセスしてみました。
で、少々、圧倒されました。物凄いボリュームなのです。そして、ユーザーの反応数も半端なく多いのです。こういう熱量の高い読者を持っていることは、トランプ大統領にとって有利な材料と感じさせられましたので、大まかに紹介します。
まず、ページを開くと、実に細かな字で、一行の記事見出しが延々と続きます。暇に任せて勘定したら170本ほどでした。もしかしたら、古い記事をそのまま残してるかも、と思って170本目をクリックしたら「8月20日」付けの最新のものでした。もちろん、1本目もそうです。
このエリアは、CFP編集部のコメントも、右寄りバイアスもなく、各メディアの記事にリンクを貼っているだけです。
その170本が終わったところで、初めてCITIZEN FREE PRESSの表示が出ます。ここからがCFPの味付けをします、ということでしょうか。なにはさておき「トランプ」ということでしょう。こういう写真が最初に出ます。
キャプションは「ミネソタで大接戦」。クリックすると、ミネソタでの最新世論調査で「バイデン46.9%、トランプ46.5%と出た」ことを伝える20日付けのツィートがキャプチャーされています。
それには「1972年以来、ミネソタで共和党が勝ったことはない。ナイスな話だ」というようなコメントが126本もついています。
また「アライグマがニューヨークの路上で民主党員によって撲殺された」という人目を引く見出しに惹かれてクリックすると、YouTubeの映像で、そこには「アライグマが車にひかれ、その後、群衆によって殴打された」とあるだけで「民主党員」なぞ、どこにもありません。まあ、ニューヨークは民主党が強いので、殴打した人々もどうせ民主党員だろう、ってことかも。これはちょっといただけないけど、255人もコメントしてます。
そのすぐ後に「テネシー州議会の黒人議員が(BLMを掲げる)抗議行動が平和的だという神話を覆した」と、これまた気になる見出し。リンク先のビデオでは何か言ってますが、説明では「勇気を持って行動しなければこの国はどうなる」などと述べたそうです。
すかさずトランプ陣営のツィッターアカウントTrump War Roomから、トランプが「テネシー州の民主党員はアメリカ人は法と秩序を支持し、正しいことを守る勇気を持つべきだと言っている」と投稿したということを載せています。なんだか我田引水ぽい。
ぶっとい字で、こういうキャッチーな見出しが10本続いた後に現れるのが、テレビニュースをキャプチャーした6枚の画像。その一枚にヒラリー・クリントンさんが映り、「Bag lady(ホームレス女性)はまだ辛辣だ」とあるので、クリックすると民主党大会でのスピーチ映像とそのフルトランスクリプトがNBCニュースのものが転載された後にこんなコラージュが。
「殺人スズメバチ」とあります。ちょっとやり過ぎだと思うけど、ヒラリーは抗議しないのかしらん。これにもコメント116本。
その下に、また60本の小文字の見出し。これはあまりバイアスがないけれど、民主党にあまり好意的でないようなニュースにリンクしているよう。
もう終わりかと思うと、またまた上記のビデオ画面よりやや小ぶりなキャプチャー画面が8枚。その一つ、AOCと呼ばれるニューヨーク選出の人気民主党下院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスが、民主党大会にバーニー・サンダースを指名するようスピーチしたのを取り上げ、そのNBCの映像と共に載せたのがこの漫画とコラージュ。
彼女に中国の人民帽を被せ、漫画では、ペロシ下院議長に「大人になれ」と言われたAOCは「クレイジー・ラディカル」というボードを持っています。明らかに、コルテス議員を貶めるというより、民主党は極左が優勢だと印象付けようということでしょう。
そしてこんな写真も。クリントン前大統領が、あの少女買春の斡旋で悪名高いエプスタインの被害者の1人に肩を揉ませているという写真を載せたDaily Mail紙を紹介、「クリントンに爆弾を落とした」と書いています。
これもコメントが152本。これでも、CFPは終わらない!さらにその下に60本の記事見出しが並び、30本以上のニュース画面が続くのですが、もうヘトヘトです。どれにも100~300ほどのコメントがついてます。つまみ食いするだけで、きっと民主党嫌いになるのでしょうね。
それにしても、このサイトの制作者はすごいエネルギー。どういうメンバーだろうとサイト内を探しましたが、そうした情報は一切なし。知られたらまづいメンバーなのか?最後にはこれだけ。
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最後の2017-20が気になります。2016年大統領選にはなかったということでしょうから、このCFPの旺盛な活動、見逃せないような気がしてきました。なにせ7月のページビューは4500万回に達し、1月の10倍に達しているそうですから。
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