小中高校に比べて、対面授業の再開が遅れていた大学・短大・高専でも、ようやく対面授業が始まったり、増えたりするようですね。
昨日、今日のテレビ新聞報道では、どこも文部科学省の調査結果を報じていて、9月からの後期学期では1060校のうち205校で全て対面授業を行う一方、ほとんどが遠隔授業としたのが、残念なことに、まだ161校にのぼっているそう。(文科省ホームページにはまだ元データは上がっていません。残念)
ただし、対面と遠隔を併用する849校のうち88%が「実技・実習は対面で」と回答したということが救いのように思えました。
というのは、まだまだコロナウィルスの蔓延がやまない米国では、大学で生物学や医学を学ぶ学生が大学に通えないため、そのコースの一環である「解剖」実習を自宅でオンライン指導を受けながら行うというケースが珍しくない、という記事を先日、相次いで見かけたばかりだったからです。
その一つはFuturismのもので、筆者はラファイエット(Lafayette)大で神経科学を学び、ニューヨーク大(NYU)で科学報道ジャーナリズムで修士号を取得した若手専門記者Dan Robitzski氏によるものです。
その母校ラファイエット大で生物学を学ぶコースの学生の自宅に、最近、中身がショッキングな段ボール箱が郵送されてきました。その中身は、真空パッケージされた羊の脳や豚の胎児などと解剖器具でした。(羊の脳は人間の脳と似ているので、大学で一般に選ばれるものだそうです)
そして、筆者の恩師だったという教授がオンラインで実際に解剖する映像を流し、その指導で各学生が解剖を自宅で行ったとのこと。
当の教授は「実習室で直接コミュニケーションをとりつつ解剖することに勝るものはないが、これは2番目に優れたソリューションだ」と語ったということです。ゴーグルなど保護具の着用や解剖器具の適切な取り扱いなどの安全対策も指導できるからだそう。
で、Robitzski氏によれば、これは特異なケースではないらしい。例えばスタンフォード(Stanford)大医学部は、この夏の高校生も交えた臨床インターンシッププログラムで、羊の脳と豚の心臓を真空パックしたものをを7月の初めに参加者に郵送したそう。
そこには縫合キットや聴診器、血圧測定器も入っていて、ここでもオンラインで聴診器の実演や、精肉店で購入した豚の足を使った縫合の指導なども行われたとのこと。
またBuzzfeed newsの記事によると、アリゾナ(Arizona)大では、医学と生理学を学ぶ3年目の女子学生のもとに、豚の胎児、牛の目、羊の脳のパッケージが送られてきたので驚いた、という様子を今話題のTikTokで共有したとあります。
というのも、この学生は大学から「解剖キットを送る」と言われていたので、メスやハサミなど通常の解剖器具を想定していたのですが、開いた瞬間、様子が変なのでビデオに撮ったのだとか。
@localpallove having a dead pig fetus in my apartment ##zoom ##onlineschool♬ original sound – localpal
同じく医学生の2人のルームメイトと開梱していますが、真空パックの豚の胎児が出てきて大騒ぎの様子が写っています。(他の2人も受け取ったので豚は3頭もいる!)
これらのアイテムは2週間に一つづつ、Zoomを通した指導で、解剖するとのことで、終わったらゴミに出すつもりだとCBSテレビのインタビューに答えています。
CBSやBuzzfeedの記事にはTikTok映像とは別に、各アイテムの拡大画像が載っていますが、どれも、きちんとした真空パック状態で、こういうものを専門に作る業者があるんだなあと思わせられます。ただし、開封すると匂うので、彼女たちは解剖を中庭で行うのだそうです。
まあ、いずれにしても日本では考えられない発想です。でも、もし、対面授業がずっと行われなかったら、日本の医大、医学部でも真似したのかなあ。やっぱりないでしょうね。バカなメディアが大騒ぎするだろうし、ゴミにも出せないだろうし。
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