去る3月8日の国際婦人デーのテーマはUN Women(国連女性機関)日本事務所によると「リーダーシップを発揮する女性たち:コロナ禍で平等な未来を実現する」だったそうです。

が、その実現の旗振りが期待されるメディア業界の実態はというと、その実現は程遠く、とりわけ日本は調査対象国中で最低という数字がオックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所が最近、公表した調査結果で明らかになりました。

これは昨年から始まった<Women and Leadership in the News Media 2021>と題する年1回の調査で、世界12か国(昨年は10か国)の主要報道機関に女性編集局長がどれだけいるかを調べたものです。

調査対象になったのは各国のオフライン(テレビ、新聞、ラジオ)とオンラインの各10組織、計20組織で12か国で240組織にのぼります。

その具体名はあげていませんが、調査書の中で、「そのブランド選択にあたっては、ロイター研究所の<2020 Digital News Report>にある<weekly usage>を重視した」とありますので、大まかに想定はつきます。そこにある日本のリストのうちトップ10はこれ。(レポートの98枚目)左がオフライン、右がオンラインです。

調査対象の12か国は、国連のジェンダー不平等指数でさまざまなランキングを持つケニア、南アフリカ、香港、日本、韓国、フィンランド、ドイツ、スペイン、英国、メキシコ、米国、およびブラジルです。

前置きが長くなりましたが、この12か国、240メディアブランドには、オフライン、オンライン兼任もあるのでTop Editor、つまり編集局長は180人なのですが、そのうち女性の割合は22%で、昨年の23%より少なくなりました。12か国の女性ジャーナリストの比率は40%ですから、それを大きく下回り、「男女平等が向上するという全体的なトレンドは見つけられなかった」とロイター研の記事は記します。

ただし、国によって、その割合は大きく異なります。女性が男性を上回ったのは南アフリカで60%(昨年は47%)で、アメリカが昨年の41%から47%に伸び、ほぼ男女同数。それ以外は、男性編集局長が圧倒的です。

その中でも、悲惨なのは日本で、昨年に続きゼロ。ゼロという国は他にはありません。アジアでいえば香港が昨年の13%から17%に増え、お隣り韓国も11%から15%になっているのに、です。そのグラフはこれ。緑の点が今年、黒い点が昨年です。

日本の女性ジャーナリストの割合は18%と12か国で最も低いのは事実。それが影響していると言えるかもしれません。しかし、その割合が日本に次いで24%と低い韓国で編集局長が15%、27%と3番目に低い米国で編集局長が47%なのを見ると、やはり日本はこの面での立ち遅れは明らかです。(なお、沖縄タイムスの編集局長は新聞協会加盟社の中で唯一の女性ですが調査対象になっていないはずです)

昨年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画には、「2020年代のできるだけ早い時期に指導的地位にある女性の割合を30%程度になるように目指して取り組む」とあります。「指導的地位」をどう定義するかによりますが、ことニュースメディアの編集トップに限ればその実現は絶望的に見えます。