超大国米国は、キリスト教を中心とする宗教国家でもあります。しかし、ギャラップ (Gallup)の最近の世論調査では、キリスト教会、ユダヤ教会とモスクに所属する米国の成人は 47%に止まり、ギャラップが1937年に調査を始めて以来、初めて過半数を割りました。21世紀に入ってから20%もの減少だということです。

一体、何が起きているのか?まずはそのトレンドです。

キリスト教には疎いのですが、Church Membershipとは「教会籍」とでも言うのでしょうか。ですから、このグラフは教会などに登録していて、献金などで教会を維持・運営する人の割合です。その割合は2000年頃までは70%近辺で安定していました。

それが、第二次世界大戦後に生まれた世代が成人するにつれ、微妙に変化していくのです。

1946年以前に生まれた伝統主義者(Traditionalist)は今でも66%が教会に所属していますが、その後の団塊世代・ベビーブーマー(1946~1964)は58%、ジェネレーションX(1965~1980)は50%、ミレニアル世代(1981~1996)が36%と激減し、Z世代(1990年半ば以降)もミレニアルに近いという見立て。

その人たちの宗教への関心の薄れは顕著です。信仰心のない伝統主義者は1998-2000年には4%でしたが、20年後に7%になっただけ。ところがミレニアルズは2008-2010年から10年間で9%も増え、31%にも達しています。

一方、信仰心を持っている人の割合は1998-2000年には90%も存在しましたが、実際に教会に所属したのは73%で、10年後の2018-2010年には信仰心を持つ人が76%で、教会に所属は60%に落ちていました。

また、この間、どの宗教にも関心のないアメリカ人は8%から21%に増大していました。

つまり、宗教に関心のない成人の増加と、宗教を持っているものの教会員にならない人の増加が時代の経過とともに明らかになったというわけです。

ギャラップの分析はもっともっと細かいのですが、このブログで取り上げたのは、この傾向が紙の新聞の近未来に酷似しているように感じたからです。

頭に浮かんだのはこのグラフでした。このブログでも取り上げたNHK放送文化研究所による「2015年 国民生活時間調査」にあったものです。

右と左は若干、調査方法に違いがあったということで別々になっていますが、左のグラフから読み取れるのは、1975年に16~19歳だった人が20歳代、30歳代と歳を重ねても新聞をきちんと読んでいたということです。

ところが右のグラフでは、1日に15分以上、新聞を読む人が、分かりやすく10年毎にどう変化ー減っているかを示しています。ここには新聞サイトの閲覧やチラシを見る時間も含むとのことですが、20年前に比べると、20代、30代が5分の1に、40代が3分の1、50代でも半分近くにそれぞれ激減しているのです。

まあ、牽強付会なのは承知ですが、信仰心のある米国人、新聞をいまだによく読む日本人に共通するのは年代が高齢ということではないかと。高齢者が徐々に姿を消せば、「控えめな見積もりででも、毎年何千もの教会が閉鎖されている」という宗教国家米国、毎年200万部も減らしながら、それでも世界一の新聞大国日本にも変化が現れるかもしれません。