米国の電気自動車大手テスラが公表した第2四半期の決算によると、販売台数は前年同期比2.2倍の20万台超、売り上げは119億ドル、最終利益は11億ドルと過去最高の達し、株式時価総額は70兆円に達し、トヨタの倍だそうです。
その創業者にしてCEOのイーロン・マスク(Elon Musk)氏、これだけでも大変な事業家ですが、彼の溢れる才能と事業意欲はテスラに止まりません。例えばアマゾンのベゾス氏と競っている宇宙旅行の実現に向けたSpaceX社、決済サービスのPayPal、真空に近い地下トンネルを掘って自動車を数百キロで移動させるハイパーループを作るボーリングカンパニー、人間の脳とAIを統合するテクノロジーに取り組むNeuralink等々を構想、指揮を取っています。
まさに現代の巨人にして、資産20兆円近い世界有数の大富豪なのですが、そのマスク氏の今の住まいは5万ドル、500万円余りで建つプレハブ住宅だと、今月になっていろんなメディアが伝えていました。
もちろん成功した実業家ですから、カリフォルニア州内に何軒も豪邸を持っていましたが、昨年前半から、その豪邸を次々売り払っていました。マスク氏の昨年5月のツィートです。
I am selling almost all physical possessions. Will own no house.
— Elon Musk (@elonmusk) May 1, 2020
<私は物理的な所有物の殆ど全てを売っている。一軒も持たなくなるだろう>
そして、LAタイムズは、計7軒で、総額は1億3700万ドルに上った、と伝えています。実は、もう1軒あるのですが、それについてもマスク氏がツィートしています。
後段にこう書いています。<ベイエリアに一軒だけイベント用の家を所有している。大家族が買わないと使われなくなるだろう>
そして前段。<私の主たる住まいは(テキサス州)ボカチカの(宇宙船打ち上げ場)スターベースにあってSpaceX社から借りている本当に5万ドルかそこらの家なんだ。なんかおかしいね>
その5万ドルかそこらの家について、テスラやSpaceX、マスクに関する情報サイトTeslaratiは、ラスベガスの新興住宅企業Boxablの建てた20フィート四方の折り畳みプレハブ住宅Casitasだと写真入りで報じました。Boxablのサイトに行けば、組み立て方からその内部まで分かりますが、なかなかよく考えられた作りです。
広さは375平方フィートとありますから35平方メートル。冷暖房完備、大型冷蔵庫も洗濯機/乾燥機、テレビも備え付けだし、浴室もシャワーだけでなくバスタブもあるなど、一人暮らしにはなかなか快適に映ります。
Observerは、「電気自動車Teslaで、地球をより環境に優しいものにし、人類をSpaceXで火星に移すという大きな使命に集中できよう」と、からかい気味?に伝え、Vanityfairは「マスク氏が真剣にミニマリズムに乗り出した」と言う一方、「テキサス州はどんな金持ちでも所得税やキャピタルゲイン税を徴収しないので、新しい住まいは個人的なメリットがある」と指摘しています評していますが、その真意はナゾのまま。
打ち上げ場のあるテキサスの地元紙Houston Chronicleは、なんだかやけ気味に「人類が火星に行くようになったら、私たちは皆、BoxblCasitasで億万長者のように生きるのでしょう」と記事を結んでいます。
ただ、Insiderの記事によるとはBoxablの創業者の言として「4万人の予約が殺到し、うち2000人が1200ドルのデポジットを払った」とマスク人気にあやかっていることを認め、「フォードはF150トラックを53秒毎に1台作っている。我々がそのレベルにいけないわけがない」と意味深とも取れる発言をしています。
もしかしたら、かって、太陽光エネルギーで全てを賄う「Tesla Tiny House」をオーストラリアで走らせデモンストレーションしたマスク氏の関心に添う新事業に関わっているのかも、と妄想しますが、どうでしょうか。
ちなみにInsiderの記事の見出しは「この狭小住宅のスタートアップはまだ3軒しか建ててないが、その1軒はマスク用。で、熱心なテスラファンから5000万ドルを集めようとしている」でした。
あ、マスク氏は2度離婚し、今はミュージシャンのGrimesさんがパートナーだとされ、昨年5月に赤ちゃんが産まれたそうですが、その二人はもちろんこの箱には同居していません。そこでCurbedだけが「怪しいぞ」と言わんばかりに鋭く突いています。
「マスク氏の生活状況には多くの未回答の質問がある。Grimesはどこで寝るのか、赤ちゃんはそこにいるのか?」
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