22日の読売朝刊に、「英ロンドンで開かれたサッカー欧州選手権の8試合で、感染6400人」という記事が載っていました。ロイター配信の写真もあったので、サイトで確認しました。その一部を借用します。

マスクを着用している人を、ほぼ中央の右寄りに一人見つけましたが、ほぼ全員がマスクなしで歓声を上げているようですね。改めて欧州のサッカー人気を感じます。

と言うのも、実は先週土曜日の東京ドームでプロ野球の巨人ーDeNA戦を観戦しましたが、こんな熱狂とは程遠い経験をしたからです。

事前に入手したチケットには、本券に<東京ドームへご来場にあたってのお願い>と題した副券がホチキスで止めてあり、そこには東京ドーム・アラートにアクセスするQRコードがあって、「試合日、座席番号、氏名、連絡先」を事前に登録するように指示があります。スマホや携帯がない人は、副券に記入して、当日、入場時に回収する、とも。

万一、東京ドーム来場者にコロナ感染者が出たら、その近隣の席に居た人に連絡が行くとか、保健所に通報されるのでしょう。

もちろん、球場内ではマスク着用が要請され、アルコールの持ち込み禁止、場内販売もありません。また、立ち上がったり、大声を出して応援することも禁止で、応援は「拍手だけ」という指示が繰り返しアナウンスされていました。観客数制限があるせいでしょう、観客もまばらです。バックネット裏もガ〜ラガラ。翌日の新聞には6904人だったとありました。

サッカー場の写真だと、この中に一人コロナ感染者がいればひとたまりもないことが伺えますが、東京ドームだと、仮に入場者に何人かの感染者がいてもクラスターは起こりそうもない感じです。

ところ変わって、コロナウィルス感染者数、死者とも世界一の米国。新学年、新学期で児童、生徒が学校に戻るシーズンですが、その児童、生徒にマスク着用を義務付けるかどうかを巡っての<mask war>が起きていると、連日、報じられています。NYTimesによると、この一週間の1日あたりの平均新規患者数は15万人あまり、死者は一日1000人を超えているというのに。

教育関係者は、子供を守るためにマスク着用を義務付けたい。ほぼ郡単位にある学区の教育委員会の多くでは、児童、生徒、教員らに校内でのマスク着用を義務付けているようですが、フロリダ州のRon DeSantis、テキサス州のGregg Abbottの両知事はじめ、共和党の州知事が、「義務化は行き過ぎだ。親の判断に任せるべきだ」として、教育委員会の決定を無効にするよう、指示を出しているのです。

とりわけ、フロリダのディサンティス知事は、「知事命令に従わなければ、教育委員会の予算を保留する」とまで言い、テキサスのアボット知事は「関係者を裁判にかける」と威嚇しています。

もちろん教育関係者は猛反発、改めて教育委員会で「着用義務」を採決したり、裁判所に知事命令の無効を訴え出たりしているのです。また、ネバダ州のSteve Sisolak知事(民主党)は、全米で5番目に大きい学区のラスベガスの児童、生徒と教職員にスクールバスと校舎内でのマスク着用を指示しています。(その最中に、アボット知事がコロナに感染していることが検査で判明。無症状だそうですが漫画的にも見える展開!)

テキサス州最高裁は、アボット知事の命令の暫定的な無効判決を出しましたが、テキサスのEanes 独立学区では、新学期初日の教師と父兄のイベントで、マスクを着用している教師の発言が聞きづらいと、父兄が二人の教師のマスクを剥ぎ取るという事件まで起きました。

バイデン大統領も静観できなかったのでしょう、教育相に、全ての児童・生徒がマスクをするuniversal maskingを禁じる知事たちになんらかの措置をとるよう大統領命令を出したそう。

最近、公表されたAxios-Ipsosの世論調査によると、学校でのマスク着用を支持する人は69%でしたが、党派別では、民主党支持者が92%がマスク着用支持なのに対し、共和党支持者では44%に止まりました。Axiosは「このことが、共和党知事がマスク着用義務に反抗的な姿勢をとっていることを説明する」と分析しています。

このように、コロナ感染防止対策でも党派的な思惑で混乱し、子を持つ親までが分断されているのが米国の現状です。

それに比べて、日本では、少なくともマスク着用については、義務化されなくても、街を行く人は100%近くマスクを着用していますし、英国のように、スタジアムでマスクなしで騒ぎ立てることもなく、事前登録して、整然と拍手で応援するのみ。そこはなんだか誇らしい。

でも、東京ドームの巨人戦が、満員になって賑やかに応援できる日が来るのが再び来るのかどうか。そこが悩ましい。