今日の読売朝刊1面に企業の在宅勤務の今後についてのアンケート調査の結果が載っています。この写真の見出し通り。

コロナが下火になっていても、在宅勤務を今のままというのが過半数を超え、縮小が3割弱というのは、やはり新たな”波”を警戒してのことなのでしょう。それはそれで興味深い数字です。

しかし、4面にある関連記事についている「アンケート協力企業」の一覧を何度も見返したが、当方の関心である純粋なメディア企業の名前は一社もない。強いて言えば「ヤフー」があるだけ。新聞やテレビといった既存メディアの名前がない! 残念。

というのも、つい先日、英オックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所が「メディアは在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドな働き方が標準になる」というレポートを目にしていたので、日本でも、そうした意識を表明するメディアが現れないかと思っていたのでね。

折角ですから、ロイター研のレポートで、気になったいくつかを紹介します。

これは、英米に限らず、42カ国132人のメディア業界の出版人、編集長、デジタル編集長などに聞いたものですが、やっぱりここにも日本のメディア関係者は入っていません。

一番興味深いのは、コロナ禍ののちに、在宅勤務を廃止して、コロナ以前と同じ勤務形態にしたいと回答したのはたったの9%だったということです。

この人たちは主にテレビ、ラジオ業界で、対面でのチームワークを重視し、高価な機材が揃ったスタジオを使わないと、満足のいく仕事ができないということでしょう。

ということは、新聞や通信社、オンラインニュースメディアなどはもう後戻りする気はないということで、34%が在宅またはハイブリッドを採用済みで、57%がハイブリッド実現に向けて最良の方法を模索中だと答えました。

それなら、編集局のスペースを削減して、費用を節約しようということになるわけで、ニュース機関の24%がすでにスペースを縮小し、16%がその計画があるとのこと。今現在で4割もがそうなるのです。

またハイブリッドな働き方への移行に伴い、27%が編集局の作り:デザインの再設計に取り組んでいて、46%もその予定があるとのことで、計7割以上の編集局の作りが変わりそうなのです。

これに関連して、ロイターからは、編集局の会議室でなく、MicrosoftのTeamsを使って会議をしたら、出席者が増え、<実力主義>の議論が増えた、との報告があったのが興味深い。使ったことがないので分かりませんが、発言せずにいると画面から顔が消えてしまうからかな?

文中にしばしば出てくるハイブリッドワークについて、レポートはこう説明しています。

<多くの人が指摘するように、ハイブリッドな未来とは、単に従業員のリモートワークの権利を拡大するだけではありません。理想的な世界では、場所にとらわれずに仕事ができ、人材がより効果的に活用され、階層が少なくなり、多様なグループが会話に参加するような新しいオペレーティングモデルを表しています。また、社交や企業文化の強化、クリエイティブなプロジェクトでの共同作業など、同僚と顔を合わせる機会が増えることも考えられます>

とはいえ、いいことばかりではありません。在宅勤務とハイブリッド勤務により、得られるものと失われるものについての問いかけでは、「効率性」「生活満足感」では高い評価が得られたものの、共同作業、創造性、コミュニケーションが悪化するという判断が強かったのです。

これは多くの業界に通じるものか、メディアにだけ色濃く出るものかは分かりません。その意味でも、読売調査ではメディア業界も加えて、更なる分析をして欲しかった、と勝手に思ったわけです。いずれ、日本の新聞社にもハイブリッドワークの波がコロナが収まっても来るでしょうから。