先日、ロシア海軍黒海艦隊の旗艦「モスクワ」がウクライナの攻撃で沈没したと伝えられましたが、その黒海艦隊の主要基地がクリミア半島の港湾都市セヴェストポリです。

米海軍系のシンクタンク米海軍協会のニュース組織USNI NEWSによると、ロシアがこのセヴァストポリ港内に訓練を受けたイルカを数頭配備したと報じています。そのイメージをUSNI Newsの記事から借用します。

港の防波堤のすぐ内側にイルカを収容する二つの囲いが設けられているのが、衛星写真の解析から明らかになったというわけです。左隅が拡大図で、ブルーの囲みがそうです。

囲いが移されたのはロシアのウクライナ侵攻の頃の2月とみられ、この記事と衛星写真をもとにしたイメージを描いた、海面下の事象を専門とするH I Sutton記者によると、「イルカは、対ダイバー作戦を任されている可能性がある。これは、米国とロシアの両方が海洋哺乳類を訓練してきた伝統的な役割だ。これにより、ウクライナの特殊作戦部隊が水中から港に侵入して軍艦に工作するのを防ぐことができる」とのこと。

ロシアのイルカ訓練拠点はセヴェストポリ西隣のカザチアブクタにあるようです。この点から、このイルカはセヴァストポリの黒海艦隊を守る目的が第一義だったのでしょうが、2018年には内戦のシリアでロシア海軍が駐留していたタルトゥース港にもイルカ、もしくはアザラシを配備していたことが衛星写真で確認されているそう。

2019年には、朝鮮半島東側の港湾都市、南浦の沖合でイルカの囲いが衛星写真に映っていて、北朝鮮も海軍海洋哺乳類プログラムを持っていることが示唆されたとUSNI Newsが別の記事で指摘しています。

画像を解析して情報を引き出すimage intelligenceによれば、北朝鮮のプログラムは少なくとも2015年に遡るとのこと。Sutton記者は「金正恩の元での海軍近代化の一環か」と記しています。

もちろん米海軍もサンディエゴを拠点に、イルカとアシカの訓練をしていて、過去にはベトナムやペルシャ湾に配置したこともあるそう。しかし、彼らが、どんな成果をあげたのかについてはUSNI Newsも教えてくれません。軍事機密なんでしょうね。

連休中には、各地の水族館などでイルカやアザラシのショーが行われている様子がテレビニュースで流れました。確かに賢い動物なのがわかります。だからと言って戦争の道具にするのは人間のわがまま勝手。規制する国際取り決めはないのでしょうか。