ウェアラブルデバイスを活用して研究開発やアスリートのサポートに携わる筆者として、知ることで訪れる幸せがある一方、思いがけずに不幸になることもあるのではと考える今日この頃。今回は、「データを知る功罪」を題材に、私見を綴っていきたい。
研究員がひも解く未来
研究員コラム
タグ:ランニング
今月、世界陸上選手権大会(世界陸上)がハンガリーの首都ブダペストで開催される。9日間の大会日程のうち、42.195kmを走るマラソンは、女子が8日目、男子が最終日に行われる。日本からは、男女各3名の代表選手が出場予定だ。
「継続は力なり」という格言がある。何事も続けることで成果が得られるに違いない一方で、続けることが苦手な人にとって、その言葉はときに鬱陶しく、やる気を削ぐ原因にもなる。飽き性の筆者もその言葉が苦手である。今回は、70歳以降に世界のトップに君臨した男性マラソンランナー4名を取り上げることで、続けられないと悩む人に勇気を与えてみたい。
現代社会は、運動不足の解消を訴求する言葉で溢れている。その一方で、運動をし過ぎる弊害を耳にすることもある。どうやら運動と健康との関係は単純ではなさそうだ。 本コラムでは、生涯スポーツとして人気のあるランニングを主題材とした上で、死亡率(死亡リスク)や寿命に関する研究を紹介しながら、自他共に走り過ぎと認めるランナーに向けての私見を述べる。