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Title: 資産の可視化が資産運用に与える影響
Updated: 2023/11/09
Category: 市場分析
Areas: 日本

資産の可視化が資産運用に与える影響

本稿は、個人の資産が可視化されることにより、株式などの資産運用への投資がより積極的になるか確認することを目的としている。現在、家計簿アプリの出現により、誰もが容易に自身の資産状況を視覚的に把握しやすくなっている。また、長期的な資産のシミュレーション機能を備えたアプリも存在し、より資産運用に親和的になってきているといえるだろう。そこで、そのような資産状況の可視化が進むことで、実際に資産運用に対して積極的になっているかどうか、KDDI総合研究所で実施している家計調査(以下、「家計調査2022))のデータを用いて紹介していく。
「家計調査2022」では、家計簿アプリを含む家計簿の活用状況を尋ねている。まず家計簿の活用状況を確認すると、何かしら家計簿をつけている人は28.4%であった。そして、家計簿アプリをつけている人は全体に対して14.4%、家計簿(アプリ以外)は全体に対して17.0%となっていた。そして、家計簿アプリ、家計簿(アプリ以外)、家計簿未使用者について、月々の平均的な貯蓄に回す金額と、投資に回す金額の合計額のうち、投資に回す金額の割合(以下、資産運用割合)を算出し、集計した。その結果、家計簿アプリ活用者の資産運用割合は38.5%であり、家計簿(アプリ以外)は32.7%、家計簿未使用者は27.5%となっていた。家計簿活用者ほうが投資運用割合は高く、特に家計簿アプリ利用者は高い傾向にあった。またあわせて、年代別にも確認したところ、どの年代でも家計簿アプリ利用者のほうが総じて、資産運用割合が高いことが見て取れた。
集計の結果、家計簿アプリの活用者は、家計簿アプリ以外の活用者や家計簿を記帳しない人と比べて、資産運用割合が高い数値になっており、家計簿アプリの特性と親和性がみられた。家計簿アプリのような資産の可視化が可能なツールが充実することで、より資産運用への投資が増える可能性がある。


※一部、誤りがありましたためファイルを差し替えました。
修正内容:P.8の図表8の図と数式
修正日:2024年1月10日

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