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Title: 2024年の欧州通信業界の展望
Updated: 2024/02/06
Category: 市場分析 制度研究
Areas: 欧州

2024年の欧州通信業界の展望

■通信市場
・5Gカバレッジは81%に到達、西欧では普及率が40-70%に達する見込み。6G研究に対する支援が継続的に実施される
・2024年にはギガビットインフラ法案や衛星計画「Iris2」の成立が見込まれ、高速BBの拡充が目指される
・英国、スペイン、イタリアでは、MNO事業者数が減少する企業合併を競争当局が審査
・スペイン、イタリアで行われた外国投資への対抗策として政府がMNO株式を取得、今後他のEU加盟国が追随する可能性
・Huaweiの排除は予定されているが対応に遅れ。仏にはHuawei初の欧州工場が新設される見通し

■データ法制
・データ法案は2024年1月11日に発効。ヘルスデータスペース法案の成立などの動向が注目される
・欧州ePrivacy規則案は2024年に成立する見通しが立たず
・英国データ保護とデジタル情報法案(No.2)は2023年3月に下院に提出され、今後貴族院で審議が進められる

■AI規制
・EUのAI規則案は、2023年12月に暫定合意に達し、2024年に成立する可能性
・英国AI規則法案は2023年11月に貴族院に提出された。EUと英国は生成AIの競争に対する影響を調査中

■プラットフォーム規制
・EU「デジタル市場法(DMA)」に規定される義務は2024年3月に発効。「デジタルサービス法(DSA)」は2024年にX(旧Twitter)に処罰決定を下す可能性
・英国では2024年に大手プラットフォームを規制するデジタル市場・競争・消費者法案(DMCC)が成立する見込み

■2024年のEU
・欧州宇宙法案の提出作業が進められており、衛星も含めデジタルインフラの拡充が目指される(欧州委の2024年作業計画)
・2024年には、欧州議会選挙・EU理事会議長国交代・次期欧州委員会発足等の注目すべき一連の動きが見込まれるものの、 情報通信関連方針に実質的な変化はないとの見通し

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