2025年の韓国通信業界の展望
■政局
・韓国は、尹錫悦大統領の弾劾裁判の審議は25年2月前半に終わる見込み。早ければ3月にも判決が出ると予想され、弾劾が妥当とされた場合は、60日以内に大統領選挙が行われる見込み
・次期大統領の有力候補には李在明野党代表が挙げられているが、偽証教唆、公職選挙法違反の疑いがあり、出馬の見通しが立ってない。一方で、家計通信費の引下げは与野党ともに異見がないことから、政権が交代した場合でも通信政策に変化は無いと予想される
■情報通信政策
・科学技術情報通信部の2025年度予算案ではAIや半導体・量子等の先端研究開発等に18.9兆₩(約2兆円)を投入する予定
・端末補助金を規定していた「端末流通法」の廃止が決定。2025年7月より施行予定
・MVNO:MVNO市場における大手企業系のシェア率規制が改定される見込み
・ユニバーサルサービス:損失補てん金の分担事業者の対象が一部付加通信事業者(ポータルやOTT等)に拡大される見込み
・周波数:早ければ2025年下期に5G周波数の再割当が行われる見込み
■先端領域
・6G:大統領の弾劾危機等の政治的な問題により、当初政府が計画した2028年の6G商用化可能性は不透明に
・衛星通信:6Gに向け低軌道衛星通信網の構築に約3200億₩(約348億円)を投入する計画
・量子産業:2025年は量子産業に1980億₩(約215億円)を投入し量子産業計画を確定する見込み
・AI:2026年1月の「AI基本法」施行に先立ち、年内に「AI利用者保護法」及びAI利用者保護ガイドラインが確定される見込み
■MNOの動向
・AIアシスタント:AIが利用者からの要求に対し行動するAIエージェントに発展する見込み
・AICC:学習データを基に相談に対応するAICCから、学習していない相談にも内容を分析し回答できるAICCになる見込み
・AIインフラ:AIの大規模演算に対応できるAI半導体を確保するために企業間で協力を多角化する見込み
■その他
・プラットフォーム規制:仲介・検索・動画・SNS・OS・広告の6大プラットフォームに対する規制が強化される見込み