今、百年に一度の大変革期にあると言われる世界の自動車産業。その変化はしばしばC(Connected)、A(Autonomous)、S(Share/Service)、E(Electric)という4つの頭文字(CASE)によって表現される。 ただ、これらの変化は必ずしも一様に進んでいるわけではない。 確かにCASEの一角をなす「電動化(Electric)」は、中国や欧州を中心に電気自動車(EV)の販売台数が毎年ほぼ倍増するなど急速に進展している。
研究員がひも解く未来
研究員コラム
タグ:Tesla
車載電池の動向とリチウムなど鉱物資源を巡る新たな環境破壊の危険性
ここ数年のコロナ禍におけるサプライチェーンの混乱や半導体不足を背景に、世界の自動車売上が停滞している。そんな中、毎年倍増のペースで推移しているのが電気自動車の販売台数だ。今後の持続的な成長の鍵を握るのが、電気自動車に搭載されるバッテリー(二次電池)の動向だ。電気自動車、特にBEV(ハイブリッド車などを除く純粋な電気自動車)の製造コストの、実に三分の一を占めるのがバッテリーと言われる。
電動化や自動運転化など「百年に一度」の大変革期にあると言われる自動車産業。その最新事情を紹介する本連載コラムの初回では、世界の自動車産業が電動化へと向かう「EV(電気自動車)シフト」が予想以上のスピードで進んでいることをお伝えした。 連載2回目となる今回は、そうした転換期にある世界の自動車産業の新たな勢力図を眺めてみることにしよう。
電気自動車と自動運転技術の世界的動向ーー中国や欧米で爆発的な普及期に突入する電気自動車
電気自動車(EV)が爆発的な普及段階に差し掛かってきた。 国際エネルギー機関IEAの調べでは、世界市場における電気自動車の新車販売台数が2021年に約660万台に達した。これは新車全体の販売台数の9%弱に当たるが、2019年の約2%、2020年の約4%等と比べると、指数関数的に増加していることが見て取れる。