Title: | 韓国ドミナント事業者に対するバンドル販売規制の緩和 |
Updated: | 2007/09/19 |
Category: | 制度研究 |
Areas: | 韓国 |
Author: | 穴田 香織 |
Tags: | MIC KT SK Telecom Hanaro LG Powercom LG Dacom ドミナント事業者 バンドルサービス |
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韓国ドミナント事業者に対するバンドル販売規制の緩和
韓国では、2004年3月から公正競争を阻害しないよう考慮するという条件で、バンドルサービスの提供が許可されていた。しかし、ドミナント事業者(KT・SKT)が提供するバンドルサービスについてはMICの認可が必要で、その審査基準が明確でなく、バンドルサービス普及の阻害要因の一つとなっていた。しかし、通信市場の活性化とユーザーの利便性向上のため、MICは、2007年7月1日から、ドミナント事業者が申請するバンドルサービスについて、審査基準を明確化し、割引率10%以下のバンドルサービスについて料金審査を簡略化した。また申請から認可可否決定までの期間を30日以内に規定した。
これにより、2007年7月下旬から、KTはブロードバンドインターネットと、①子会社KTFが提供するHSDPAサービス、②WiBro、③保険、とのバンドルサービスの提供を開始した。SKTは大手CATV事業者との提携により、①SKTのグループ向け料金プランとブロードバンド、②SKTのモデム利用によるデータサービス「TLOGIN」とブロードバンド、③SKTの携帯電話サービスと衛星DMB、の3種類のバンドルサービスの提供を開始した。ドミナント事業者が提供したバンドルサービスの割引率は多くが10%以下であったが、ドミナント事業者以外の通信事業者はすでに割引率20%のトリプルプレイサービスを提供しており、競争激化による料金値下げやサービス拡充が期待されている。
今回施行されたドミナント事業者に対するバンドル販売規制の緩和は、2007年3月にMICが発表した「通信規制政策ロードマップ」の一部に位置づけられている。「通信規制政策ロードマップ」には、端末補助金規制の廃止と関連施策、再販売等卸売り規制の導入等の実施に向けた具体的な内容と実施スケジュールが盛り込まれている。MICはこれらの施策を2008年までに実施し、国内通信市場における競争状況活性化とそれによる通信料金の引き下げを目指している。