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Title: ニュージーランドの最近の携帯電話市場について
Updated: 2007/10/18
Category: 市場分析
Areas: ニュージーランド

ニュージーランドの最近の携帯電話市場について

ニュージーランドの2007 年3 月末の携帯電話加入者は421 万であり、携帯電話普及率は既に100%を超えているが、マーケットシェアは後発のVodafone が53.28%(Vodafone の発表では53.7%)を占めている。ニュージーランドの3G 免許はTNZ、Vodafone 及びTelstraClear の3 社が取得しているが、TelstraClear は Vodafone 携帯電話の再販サービスを企業向けに提供している。
2007 年4 月1 日から、ニュージーランドでは市内電話と携帯電話にナンバーポータビリティ制度(MNP)が導入されているが、TNZ がCDMA2000 方式を、VodafoneがGSM/W-CDMA 方式を各々採用しているため、MNP による顧客移動は多くないものと予想されている。ところが、2007 年6 月18 日、TNZ はW-CDMA HSPA 技術をベースにした次世代の携帯電話網を3 億NZ ドルで建設し、2008 年に運用開始すると発表した。
また、2007 年7 月25 日には豪州の再販業者であるM2 Telecommunication がニュージーランドの携帯電話市場に進出するとの報道があった。その一方で、Vodafoneの携帯電話サービスを再販しているTelstraClear は、2007 年8 月 13 日、TNZ 網を利用したMVNO を2007 年後半から開始すると発表した。
TelstraClear のMNVO 開始により、ニュージーランド3 番目の携帯事業者が誕生することとなるが、インターネット等の再販業者であるOrcon やCompass Communication も携帯電話市場への参入を画策している。2007 年10 月以降、ニュージーランドの携帯電話市場では、MNVO、国内・豪州の新規参入再販業者を交えての本格的な競争が開始されることとなる。
このような携帯市場の本格的競争環境を整備するかのように 2007 年8 月 3 日、商務委員会は携帯電話への新規参入を更に促す草案(Draft Recommendation)を発表している。この草案の中で、全国ローミングサービスを指定サービス(designatedservice)とし、価格規制下に置く案を提示している。
一方、TNZ は 2007 年中に、アクセス分離に関する各事業の分離計画を提出する予定になっているが、2007 年 9 月からCEO に Paul Reynolds 氏が就任すると発表している。同氏はBT のホールセール部門の責任者であり、OpenReach 創設の際、BTの運営分離を実際に担当した人物である。
アクセス分離やローミングサービスの価格規制を通して、公正な競争環境が実現されるのは2008 年に入ってからと予想されている。そのため、TNZ は2007 年後半から予想されるTNZ 包囲網対策の布石としてW-CDMA 網建設や新たなCEO 招聘を打ち出したのであろうか? TNZ がどのような運営分離計画案を出してくるかは興味のあるところであるが、その前哨戦とも言える今秋からの携帯市場での競争激化にも目が離せない。

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