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Title: 諸外国のアクセス分離について ~接続ルールの先にあるもの~(前編)
Updated: 2009/06/10
Category: 制度研究
Areas: オーストラリア ニュージーランド 欧州 英国

諸外国のアクセス分離について ~接続ルールの先にあるもの~(前編)

2006年1月、英国のBTは約2年越しの規制当局Ofcomとの協議の末、アクセス部門を機能的に分離し、「Openreach」を発足させた。Openreach は、ローカルループ関連の卸売サービスを、競合他社に対して自社(BT)利用部門と同じ条件で提供する組織である。各国規制当局や競争事業者にとって固定系アクセス回線のボトルネック性に起因する公正競争上の問題は、積年の課題であるが、その処方箋としての「アクセス分離」は、英国だけに留まらず、欧州各国をはじめ、アジア・オセアニアにも波及している。
最近では、超高速ブロードバンド網(FTTH等)の普及促進という国家目標を達成する上で、インフラ整備を担う事業者に課す条件としてアクセス分離を位置づける動きも出てきた。
本稿では、諸外国における様々なアクセス分離導入事例を、各国の事情を対比しながら概説する。
前編では、アンバンドルルール等の相互接続の問題についての基礎的なポイントを踏まえた上で、アクセス分離導入の先駆的役割を担った英国の事例を紹介し、その実効性、課題の分析を試みることに重点を置く。
後編では、オーストラリア、ニュージーランドの事例を紹介し、英国と対比しつつ、欧州とは違ったアクセス分離像を眺める。

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