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Title: 2024年の中国通信業界の展望
Updated: 2024/02/02
Category: 市場分析 制度研究
Areas: 中国

2024年の中国通信業界の展望

■情報通信政策
・5Gの活用と6Gの導入に向けた技術開発を進める。衛星通信、製造業DX、AI開発分野の政策に注力する見込み
・通信品質向上のため、2025年までの達成基準を設定。デジタルデバイド解消策としてのアプリの高齢者モードに関する基準策定が注目される
・ユニバーサルサービスとして2025年末までに国境離島地域での5Gと光回線のエリア化が進む見通し
・工業・情報化部はWeb3の技術とNFTなどの新型ビジネスを後押しする方針で、2024年にWeb3戦略を策定する予定
・未成年者のインターネット利用やオンラインゲームなどのインターネットサービスにに対する取締の活発化が予想

■通信市場
・MNO大手3社は通信サービスとDXソリューションへのAI活用をさらに進める見通し
・5G料金の低価格競争が継続しプランが多様化する。差別化された高速通信やOTTなど他のサービスとのバンドルが増える見込み
・MNOは5G RCSの普及を促進し、5G VoNRと予約、購買、情報配信、会議、認証などの多様なサービスを統合する見通し
・5G端末について、MNOは1000元以下の5Gスマホを発売する予定。大手メーカーは折り畳み、視力保護、衛星通信対応、AI内蔵などの消費者にとって魅力のある機能の開発に注力する考え
・2024年は衛星への直接接続によるデータ通信機能がスマホや自動車に搭載される見込み。地上-衛星通信を一体化したユースケースの登場とBtoBtoCサービスの開発が活発に

■通信技術動向
・5G-Advancedにより、高精度測位サービスの商用化、AIを用いたネットワーク自動運用と省電力化が進む5Gの設備コストを60%削減できる5G RedCapが商用化し普及する見込み
・6Gは2030年に商用化の見込み。6G周波数割当は2026年に検討される予定

■通信関連市場
・MNOは自社の通信事業やDX事業の推進のためドローンを積極的に利用する見通し
・工業・情報化部の「メタバース産業のイノベーション発展に関する3カ年計画」に基づき、2024年からの3年間で製造業等の産業分野でのメタバース技術の活用と技術標準の策定が行われる見込み
・プライバシー保護のため、端末側で生成AIを稼働できるスマホ、タブレット、PCなどの開発が進む
・短時間でサービス提供アプリを開発できるプラットフォームが多数提供される見通し
・「生成AIサービスに関する管理規定」ではアルゴリズムに対して当局への提出義務を定める

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