AT&Tの従業員がDirecTV Nowを不正に販売して加入者数を稼いでいたことが発覚した。
Hawaii News Nowによると、ハワイ・ホノルルのAT&Tショップで、ワイヤレスサービスとTVストリーミングサービス「DirecTV Now」の不正な抱き合わせ販売が行われていた。
しかもそのショップ店員は店長の指示でやっただけなのに、社内規定に違反したとして解雇されたため、怒りをぶちまけている。同様に解雇されたショップ店員が少なくとも6人はいるそうだ。
AT&Tではショップ間の競争が激しく、所定の販売目標を達成するために強いプレッシャーがかかっているそうだ。店員にプレッシャーをかける店長も、またその上司からプレッシャーを受けているに違いない。
2017年6月にDirecTV Nowの販売数がショップの評価対象になってから販売数は3倍に伸び、2017年末までそのペースが続いた。
その期間のDirecTV Nowの販売数で、ハワイのショップは全国のAT&Tショップの中で常に好成績を維持したが、AT&Tの現従業員の話では、その販売数の90%は不正販売によるものだそうだ。
ちなみに不正販売の手口とは以下のようなものだ。
スマホを購入した顧客に対し、本来は手数料がかかるのだけれど、DirecTV Nowに加入すればこの手数料が免除される、と虚偽の説明をする。
DorecTV Nowは1か月35ドルかかるが、無料期間内に解約すれば料金は一切かからないと説明。これは嘘ではない。その解約手続きもショップの方でやるので顧客は何もする必要はない、と安心させる。
不正な販売方法はそれにとどまらない。DirecTV Nowの申し込みにはクレジットカードとメールアドレスが必要だが、1枚のクレジットカードで35ドル以内であれば複数の申し込みをすることが可能だ。

DirecTV Nowは、最初の3か月間は1か月の料金が10ドルになるキャンペーンをしている。そこで、顧客が申し込みに承諾してクレジットカードを渡すと、架空のメールアドレスを使って、そのカードで3件分の申し込みをしてしまう。
まず店長がやってみせて、同じことを店員にやらせるそうだ。
それでも無料期間内に解約すれば顧客には料金は一切かからないのだが、ショップの店員がしばしば解約するのを忘れて料金がかかってしまうケースが続出。気づいた顧客から苦情が寄せられて、AT&Tが内部調査をして不正が発覚したそうだ。
もちろん気づかない顧客もいる。クレジットカードの明細書をよほど丁寧にチェックしないとわからない。気づいても何の料金かわからないまま放置してしまうこともある。
実際に、7か月間も気づかず、DirecTV Nowを使っていないにもかかわらず料金を払い続けた顧客もいたそうだ。
アメリカでは故意や過失を含め同じようなことはよくある。クレジットカードの明細書を毎回注意深くチェックすることが欠かせない。