Airbnbとニューヨーク市の対立激化


民泊サイトのAirbnbとニューヨーク市の対立が激化し、訴訟合戦も活発化している。

Airbnbのホームページより

7月18日、ニューヨークのブルックリンでAirbnbを通じて空き部屋を貸しているスタンレー・キャロル氏(56才)がニューヨーク市を提訴した。違法民泊として同市から3万ドル以上に上る罰金を課せられたからだ。

同氏は6月に開催された市議会のミーティングで民泊を擁護する発言をしたが、その後この罰金が課されたことから、これは民泊擁護の発言をしたことに対する仕返しであり、不当な措置だと主張している。

Airbnbもキャロル氏を支持し、同氏の訴訟費用を負担することに同意し、ニューヨーク市への対立姿勢を強めている。

一方、同じ7月18日、ニューヨーク市議会は、違法な民泊の取り締まりを強化するため、民泊サイトの運営事業者に対しホストの氏名や住所等の情報を毎月提出することを義務付ける条例を可決した。

ホストの住所・氏名だけでなく、1戸の物件を丸ごと貸すのか部屋単位で貸すのかの情報も付記するよう求めている。

ニューヨークでは居住者不在の状態で30日未満の短期賃貸をすることが禁じられている。1戸の物件を丸ごと貸している場合は居住者が不在であることが推定されるので、取り締まりが容易になるというわけだ。

違法な短期レンタルのために長期リースの物件が少なくなっており、住宅危機を悪化させていると目の敵にしている。

それと並行して、7月20日、今度はニューヨーク市がAirbnbを相手取って提訴した。ホストに関する情報を提出するよう命じたが従わなかったというのがその理由。

違法な民泊を取り締まるためには、ホストの住所、氏名等の情報が必要だが、Airbnbが個人情報保護を盾にその情報の提出を拒んでいたため、なかなか取り締まりが進まなかったという背景がある。

Airbnbは、同市からの情報提出要求の内容があまりにも広範囲で、調査の対象でない情報まで提出するよう求めているのは不当だと反論している。

両者の溝が埋まる気配はない。