有料TVサービスの新しい加入スタイルがはびこっている。観たいときだけ加入するというもの。
The Vergeがスタッフ十数名に聞き込み調査をしたところ、だいたいみんな同じようなことをやっていた。
加入型のビデオストリーミングサービスを継続して利用するのではなく、観たい番組が始まるときに加入し、番組が終わったら解約するというもの。
The Vergeのスタッフは、たとえば以下のような使い方をしていた。
- YouTube TVを2週間で解約した。ワールドカップを観るのが目的だったので、終わったら即解約した。
- Hulu Liveを1日で解約した。オスカーが観たかっただけなので。無料視聴期間が終わる前に解約してしまった。
- 『ウエストワールド』が終わったのでHBO Nowを解約した。
- 『スタートレック:ディスカバリー』の放映に合わせてCBS All Accessの契約/解約を繰り返している。
上記は多少極端な事例だが、似たようなことが世間で一般的に行われている。特定のサービスの特定の場面で行われるというわけではなく、どのサービスでもどんな場面でも行われうる。
こんな使い方ができるのは、OTTビデオストリーミングサービスならではの特徴だ。従来型のケーブルTVや衛星TVなどではこうはいかない。
サービスの契約期間がなく、機器を購入したり設置したりする必要もないので、いつでも手軽に契約/解約ができるという提供方法が、この新スタイルを後押ししている。
こうなると、サービスの提供側には、絶えず魅力的なコンテンツを出さなければならないというプレッシャーがかかってくることだろう。魅力的なコンテンツを確保することが、今まで以上に重要になってくる。
ワイヤレス業界も契約なしが一般的になり、似たようなことができる環境になりつつある。次期iPhoneでeSIMが採用されると、ワイヤレスサービスでも必要なときだけ加入するというスタイルがはびこるかもしれない。