TingがT-MobileからVerizonに乗り換える


MVNOのTing Mobileは使用するネットワークをT-MobileからVerizonに乗り換えることにした。Tingは現在、T-MobileとSprintのネットワークを使っているが、Light Readingによれば、このほどT-Mobileをやめて Verizonに乗り換えることにしたと、Tingの親会社のTucowsのエリオット・ノスCEOが発表した。

T-Mobileとの現契約は2019年12月で終了するので、それ以降は継続しないことにした。なお、T-Mobileとの契約では終了後12か月間の顧客移行期間を設けているので、2020年12月までに顧客を移行することとなる。

T-Mobileをやめることにした一因として、T-Mobile/Sprintの合併がなかなか進まないことへの不満がある。

当初の見込みでは、今頃は既に合併話が片付いていたはず。もし合併が実現していたら、両社一括で合併後の取引条件を協議し、財務的な見通しを立てることができたのに、合併が実現しなかったために、T-MobileとSprintのそれぞれと個別に協議しなければならなかったと、不満を露わにした。

なお、Sprintについては、現在好条件が適用されており、現在のチームと生産的で良好な関係が維持できているので、現契約をもう1年間延長して、2020年9月まで使うことにした。

ということは、はっきりとは言っていないが、T-Mobileは条件が悪く、現在のチームとの関係が非生産的で悪化している可能性がある。

とは言え、ネットワークを変更するには費用がかかる。これに伴い、同社は、2019年度の税引前利益(EBITDA)の見通しを当初の6,200万ドルから5,200万ドルに引き下げた。

差額の1,000万ドルの内訳は、ネットワークの変更コスト、業績の低下、キャリアへのペナルティの支払いがそれぞれ3分の1ずつとのことだ。

そして、Verizonを選んだ理由としては、ネットワークが良好で、料金やコミットメントなどの条件が良く、戦略上も有利なことを挙げている。

短期的に多少コストが増大しても、長期的に足場を強固にして良好なサービスを提供して顧客を増やすこととしており、そのためには今回の措置が重要だとしている。

それにしても、SprintとVerizonに比べてT-Mobileへの不平不満の強さが半端ない。T-Mobileから多額のペナルティを請求されて、関係が修復不能なまでに悪化した模様だ。