T-Mobileが5G拡張を棚上げ

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T-Mobileが5Gネットワークの拡張を棚上げした。

Wireless Estimatorによれば、T-Mobileは8月30日から順次、関連設備の調達先に対して、5Gの拡張に関する設備の注文をキャンセルし、2020年まで棚上げにすると通知した。

その理由は、州とDCの司法長官による訴訟のためにSprintとの合併が完了できないでいるからだ。

T-Mobileの野心的な5G拡張計画に備えて従業員の増強などをして提供体制を整えていた請負業者にとっては大変な痛手だ。とりわけ中小の業者にとっては深刻な事態だ。

T-Mobileから通知を受けた中堅業者によれば、今回キャンセルされた注文は約70万ドルにのぼるとのことだ。

T-Mobileの広報担当者は、全国的に注文をキャンセルしているわけではなく、設備投資額の調整をしているだけで、毎年やっていることだと説明している。

ところが、Wireless Estimatorがインタビューした請負業者7社によれば、T-Mobileと数年ビジネスをしているが、こんなことは初めてだそうだ。

T-MobileとSprintの合併については、司法省とFCCの承認は得られたが、州やDCの司法長官が合併阻止を求めて訴訟を起こしている。

9月3日にはイリノイ州も訴訟に参加した。これにより原告団は16州とワシントンDCの司法長官となった。

イリノイ州の他に訴訟に参加している州は、ニューヨーク、カリフォルニア、コロラド、コネチカット、ハワイ、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミネソタ、ミシシッピ、ネバダ、テキサス、バージニア、ウィスコンシン、オレゴンの15州。

このうち、テキサス州の司法長官だけが共和党で、それ以外は民主党だ。このことから、州の司法長官による訴訟は、国にとって何が最善かを考えてのことではなく、トランプ大統領への反発や共和党が多数を占めるFCCへの反発によるものとの見方もある。

T-Mobileに責任をなすりつけるのはやめよう、と理解を示している請負業者もいる。悪いのは民主党系の司法長官なのだからと。

両社の合併は住民にとって悪影響があるので良くないとして訴訟を起こしているのに、その訴訟のために多くの企業が悪影響を受けて、結果的に住民にも悪影響が及ぶという、皮肉なことになっている。

訴訟が早く終わってくれないと、この悪影響がいつまでも解消しないどころか、どんどんひどくなる可能性もある。

ひょっとして、T-Mobileの5G拡張の棚上げは、州との訴訟を早く終わらせるための作戦の一環ではないかとも勘ぐりたくなる。