Pixel 4が5G対応でない理由


GoogleのPixel 4は5Gに対応していないのにはわけがある。

Google Pixel 4のホームページより

Googleは最新スマホ「Pixel 4」を10月15日に発表し、10月24日に販売開始した。

ジェスチャーでスマホが操作できる「Motion Sense」や天体撮影モードに対応した「Night Sight」など、話題の機能を搭載したハイエンドスマホだが、5G対応ではない。

キャリアの間では5Gサービスの拡張競争が繰り広げられており、SamsungやLGなどは既に5G対応スマホを出している。

現時点で出す最新のハイエンドスマホなら5G対応にしても良さそうなものだ。

とりわけ、iPhoneがまだ5G対応でないだけに、今のうちに5G対応スマホを出しておけば、iPhoneに対する優位性もある程度は確保できるだろうに。

キャリアにとっても、5Gの拡張競争を展開する上で、他社に比べて少しでも多くの品揃えを用意することは重要なので、5G対応を望んでいたことだろう。

実際、Pixel 4が正式発表される前の噂の段階で、Forbesは、もしPixel 4が5G対応になれば、Verizonにとって有利になるだろうに、との記事を掲載していた。他社と比較すると、VerizonがPixelスマホの販売に最も力を入れているからだ。

PCMagによれば、最新スマホを5G対応にしなかったことについて、GoogleのプロダクトマネジメントVPのBrian Rakowski氏が、その理由を語っている。

同氏が言うには、5G技術は「未だ消費者に提供する準備が整っていない」ので、「今は5Gスマホを買うべき時ではない」。

カバレッジにしても十分な数のユーザが十分な場所で利用できる状況ではなく、スマホなどにしてもバッテリーの持ちが悪くて時期尚早だ。

解決すべき課題が多く、その状況を注意深く見守っており、ユーザにとって好機到来となれば5G対応スマホを出すつもりではあるが、まだそのタイミングではない。

5Gサービスの提供地域の拡張は、事実上VerizonとAT&Tの競争になっているが、使用周波数(ミリ波帯)の関係で基地局を多数設置する必要があるため、両社とも拡張のペースは遅い。

中国で今年中に5Gが飛躍的に伸びる可能性はあるが、Googleは中国ではスマホやサービスをほとんど提供しないので、現時点で5G対応スマホを出す誘因はない。

Googleの長期計画上、5Gは重要な位置付けであり、Pixelスマホを通じてハードの性能だけでなく画像処理、音声認識、AIなどの分野においてもGoogleの能力を最大限に見せ付けるつもりはあるが、「今はその時ではない」。