KDDI総合研究所叢書 発刊のお知らせ
「独占禁止法の研究」
書籍情報 | |
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単行本(ハードカバー) | 480ページ |
出版社 | 勁草書房 |
ISBN-10 | 4326403934 |
ISBN-13 | 978-4326403936 |
発売日 | 2021/6/20 |
著者・内容紹介・目次
【著者】
舟田 正之 立教大学 名誉教授
【内容紹介】
長年経済法の研究に携わり、独占禁止法を中心に、通信・エネルギー・運輸など多様な公的規制法を扱ってきた著者の既発表論文から、現時点で特に重要と思われる13本をピックアップ。
論文刊行後の判例の追加など、内容面のアップデートを施した上で、独占禁止法の諸規定に関する解釈論を展開する論考を整理して収録する。
【目次】
第1章 独占禁止法上の「事業者」
1.1 はじめに
1.2 「事業者」の絞り込み
1.3 学校法人
1.4 特殊法人NHK
1.5 専門的自由業
1.6 労働者・俳優・職業運動選手
1.7 国・地方公共団体等
1.8 豊田商法事件判決における「事業者」
1.9 お年玉付き年賀葉書事件判決
第2章 「公共の利益」・競争の実質的制限・公正競争阻害性
2.1 問題の所在──独占禁止法の目的・「公共の利益」
2.2 石油価格カルテル刑事事件最高裁判所判決
2.3 本判決後の関連諸事例
2.4 「社会公共的目的」と「競争促進効果」
2.5 社会公共的目的に関する理論構成
2.6 行政指導と違法性阻却
第3章 事業規制とカルテル──大阪バス協会事件を素材として
3.1 はじめに
3.2 道路運送と独禁法
3.3 違法運賃是正のためのカルテル
3.4 保護されるべき競争・実質的違法性
3.5 本件事案についての具体的検討事項
3.6 審決要旨
3.7 独禁法と個別の規制法の競合
3.8 独禁法の目的ないし公共の利益
第4章 事業法と独禁法──NTT東日本事件と新潟タクシー事件を素材として
4.1 はじめに
4.2 NTT東日本事件
4.3 新潟タクシー事件
4.4 競争の実質的制限・正当化
第5章 JASRAC事件最高裁判決
5.1 事実
5.2 上告理由
5.3 判決理由(上告棄却)
5.4 批評(判旨賛成)
第6章 談合入札──独禁法上の規制および関連問題をめぐって
6.1 問題の所在
6.2 談合と「不当な取引制限」
6.3 談合の経済的効果とその発生要因
6.4 出血受注問題
6.5 入札制度の改革
第7章 「官製談合」と独禁法
7.1 はじめに
7.2 「官製談合」
7.3 独禁法の解釈問題
7.4 発注者側の規律と談合規制の強化
7.5 まとめ
第8章 談合と独占禁止法
8.1 問題設定
8.2 実効性が不十分な入札談合
8.3 「一定の取引分野」
8.4 「縦のカルテル」
8.5 おわりに
第9章 入札談合と刑事罰──防衛庁石油製品談合刑事事件東京高裁判決を素材に
9.1 本件事案の背景
9.2 事実の概要
9.3 判旨
9.4 事業者側の競争性の有無
9.5 発注者側の責任
9.6 「一定の取引分野」
9.7 相互拘束・共同遂行──時効,罪数等との関係
第10章 多摩談合(新井組)事件の最高裁判決について
はじめに
10.1 「不当な取引制限」と入札談合
10.2 本件事案の特殊性
10.3 判旨
10.4 「一定の取引分野」に関する「特定土木工事」という絞り
10.5 「拘束」の意味
10.6 「共同して」と「相互に」
10.7 市場要件=「競争を実質的に制限すること」
10.8 課徴金賦課の対象となる「当該商品又は役務」(法7条の2第1項)
10.9 まとめ
第11章 プラットフォームと競争秩序──DeNA事件を素材に
11.1 プラットフォームと競争秩序
11.2 事件の概要
11.3 ソーシャルゲームをめぐる取引関係
11.4 本件違反行為の狙いと効果
11.5 取引の不当妨害
11.6 「競争の減殺」
11.7 おわりに──「新興市場」
第12章 「取引開始時における優越的地位の濫用」
12.1 はじめに
12.2 諸事例
12.3 取引開始時と継続的取引の区別
12.4 優越的地位の「源泉」
12.5 意思主義から取引力の規制へ
12.6 優越的地位濫用ガイドラインの検討
12.7 濫用規制の保護法益
第13章 協同組合と独占禁止法
13.1 はじめに
13.2 協同組合適用除外の趣旨・範囲
13.3 適用または適用除外の理由づけ
13.4 協同組合と他の事業者との共同行為
13.5 法22条ただし書
13.6 いわゆる農協問題
索 引