Title: | “苦悩する固定系通信キャリアの姿” ノルウェーTelenor社のADSLサービス従量制課金採用と定額制料金への回帰 |
Updated: | 2004/06/28 |
Category: | 市場分析 |
Areas: | ノルウェー |
“苦悩する固定系通信キャリアの姿” ノルウェーTelenor社のADSLサービス従量制課金採用と定額制料金への回帰
ノルウェー最大手の通信事業者Telenor 社は顕在化するP2P 問題に挑戦すべく、ADSLサービスにおいて上限付従量制料金方式を2002 年8 月に採用し、その成果が注目されたが、結局2004 年3 月にこの料金方式を廃止し定額制に回帰した。世界的に定額制が一般化したブロードバンドサービスにおいて、一部ヘビーユーザーがキャリアの保有する回線容量の大部分を寡占してしまうP2P 問題への対処は固定通信キャリアにとって大きな課題となっている。P2P 問題がエスカレートすることによってキャリア側は収入増に直結しない設備増強を強いられることとなり、収支構造の悪化が懸念される。従来の回線交換方式における課金形態は時間従量制というのが一般であったが、Telenor が採用したサービスは加入者の利用するデータ容量に上限を設けるという方式である。データ従量制サービスは、我が国でも初期CATVインターネットサービスや一部ISP にも採用されていたが、この数年におけるADSL の爆発的な加入者増と、それに伴うISP、キャリア間の競争激化によって定額制への回帰が一般化している。世界的に固定通信事業者の収益が悪化する中で注目されたTelenor 社のサービス方式を確認するとともに、同社の行った取り組みについて検証する。