Title: | 携帯電話を活用した新たなマーケティング施設「Sample Lab」の登場 |
Updated: | 2007/11/14 |
Category: | その他 |
Areas: | 日本 |
携帯電話を活用した新たなマーケティング施設「Sample Lab」の登場
2007年7月、様々なメーカーが提供する新製品(サンプル)を訪れた会員が直接、無料で持ち帰ることができる施設「Sample Lab」(サンプル・ラボ)が東京・渋谷にオープンした。「Sample Lab」の特徴は、その製品を必要としている人に直接取りに来てもらう(1回の来店につき5品まで)ことでサンプルの配布コストを削減し、実際にサンプルを使用した会員のアンケートを確実に回収することで、有益なマーケティング情報(製品使用後の感想・改善点など)をサンプル提供企業へフィードバックできる点にある。
「Sample Lab」を運営するエル・ポスネットは、こうしたサンプル配布とアンケートの配布・集計に、携帯電話を使用したシステム(NTTデータと共同開発)を利用し、会員からの入会金(300円)、年会費(1,000円)、サンプル提供企業からの出展料(25万円)、アンケートデータの情報料などを主な収入源としている。こうした一連の「Sample Lab」のビジネス手法は、ビジネスモデル特許として出願されている。
「Sample Lab」は現在、入場者数を1日800人に制限し、2週間前からの来場予約が必要なほど盛況であるが、「Sample Lab」を訪れる会員の多くは20代~30代の女性で、サンプルもまだ化粧品や食料品などに限られている。今後、有益なマーケティング情報をサンプル提供企業へ提供し続け、ビジネスを成功させていくためには、会員の属性をどれだけ広げられるか、そしてサンプルの種類を増やし、いかに会員に飽きられないよう工夫し続けていくか、といった点が課題といえるだろう。
「Sample Lab」の他にも同様のコンセプトのサンプル配布施設は東京に増えつつあり、いずれ「商品を買う前にはまず試してから」といった購買行動が定着する可能性もある。その際、通信事業者にとっても、コンテンツや新端末の新規発売の際には、「Sample Lab」的なマーケティングの発想を必要とするときがくるかもしれない。