Title: | 「緊急地震速報」本格運用開始 -『これまで』と『これから』- |
Updated: | 2007/12/12 |
Category: | その他 |
Areas: | 日本 |
「緊急地震速報」本格運用開始 -『これまで』と『これから』-
2007年10月1日、気象庁は「緊急地震速報」を一般住民に対しても本格的に開始した。一般住民に向けて全国規模で地震情報を一斉配信する仕組みは世界初の試みであり、地震大国日本ならではの画期的な技術と施策である。当初は今春に開始する予定であったが、認知率が低かったことから、十分な理解がない中での導入はいたずらに混乱を招きかねないとして延期されてきた。
緊急地震速報導入の目的は、地震を予知することではなく、発生した大地震に対して、できるだけ正確な情報を迅速に伝達することで、一人一人が適切な行動をとることにより被災規模を軽減することにある。
非常に期待されて登場した緊急地震速報であるが、決して万能なシステムではない。震源地に近いところでは間に合わないことがあるとか、震度推定の精度、大きな揺れが到達する時間の精度等まだまだ技術的課題を残している。また情報を受ける側の理解も決して十分ではなく、速報で伝達される表現内容の工夫も改善の余地を残しているといってよい。緊急地震速報を利用するにあたってはこれらの「限界」を認識した上で、活用することを心がけなくてはいけない。
気象庁は、これらの「限界」に対して、今後様々な改善策を関係機関と協力して講じていくとしている。例えば、携帯電話やブロードバンド回線などを通して、事業者と契約した一般利用者への情報提供が行われる取組みが今後予定されている。このように新たな放送・情報通信技術を使った高度利用も大いに期待されるところである。