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Title: 二極化する消費と富裕層サービス ~ 携帯電話は生き残れるか ~
Updated: 2008/04/14
Category: その他
Areas: 日本

二極化する消費と富裕層サービス ~ 携帯電話は生き残れるか ~

富裕層向け商品ブームの陰で個人の消費の二極化が広がっている。一個人が高級消費と低価格消費を同時に行うという消費傾向は、携帯電話市場にも影響が及ぶ。若年層が金銭的に余裕のない中で携帯電話に高額を支払っているのに対して、高齢者は金銭的余裕の割に利用が若年層よりも少ない。これは彼らにとって「他を切り詰めてまでも利用したい」と感じるサービスが提供されていないことも一因と考えられる。二極化消費時代には産業間で「ワンランク上の消費」の地位を競っており、企業にとっては収益効率の上でもこのような商品やサービスの消費を提供し、消費者の支持を得ることが重要となってくるだろう。
(1)富裕層ブームと格差時代の到来
1990代後半からの急速な経済のグローバル化により、人、モノ、金の移動がより自由化された結果、日本でも資産格差の拡大が徐々に進行している。このような背景もあり、様々な分野で今後の成長マーケットと期待される富裕層向けサービスが急拡大している。
(2)広がる二極化消費の傾向
富裕層向けサービスの利用者は必ずしも富裕層とは限らず、一般の会社員なども多い。グローバル化による低価格品の充実や日頃のストレスを埋める欲求の拡大などで、一個人が高級消費と低価格消費を同時に行うような消費の二極化の傾向が顕著となっている。
(3)二極化消費の心理と需要曲線
新たな高級消費は従来の需要曲線上にはなく、ある程度高価でも従来の需要曲線を外れて数が出る商品やサービスとなる。企業の収益効率から見ても非常に望ましく、このような商品やサービスを提供できるか否かが今後の企業や産業の将来を決するであろう。
(4)二極化消費時代と携帯電話
二極化消費の時代には携帯電話サービスでもワンランク上の消費(こだわり消費=マイ・ラグジュアリー消費)になることが重要であるが、現在は若年層ではこのような消費となっている反面、高齢になるほど金銭的余裕の割にさほど利用されておらず、彼らにとってはこだわりもなく、より安いほうが良い「コモディティ商品」と位置づけられている。
(5)携帯電話市場のさらなる成長のために
携帯電話サービスが若年層以外の世代にとって「他の消費を切り詰めてでも利用したい」商品やサービスであるために、彼らの生活や興味、不満、支出などを
徹底的に分析し、ワイヤレスをはじめとする通信技術でどういった解決策があるのかをこれまで以上に考える必要があるだろう。
今後富裕層向けサービスの充実は様々な業界で進むだろう。富裕層向け商品やサービスは経済成長とともにいずれは中間層へ拡大する事例が多く、高齢層を中心とした富裕層マーケットや高級消費の研究・分析は、現在低迷する中高齢層の携帯電話利用を考える上でも重要な分野と思われる。

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