Title: | France Télécomのアフリカ進出動向 |
Updated: | 2009/11/19 |
Category: | 市場分析 |
Areas: | アフリカ 欧州 コートジボワール ボツワナ |
Author: | 服部 まや |
Tags: | 海外進出 モバイル ブロードバンド モバイル決済サービス CSR Orange France Télécom |
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France Télécomのアフリカ進出動向
France Télécom(以下、FT)は、固定電話、インターネット、IPTVサービスに加えて、100%子会社Orangeを通じて携帯電話サービスを提供している。事業展開国は、本国フランスのほか、欧州とアフリカ・中東地域を中心に約30カ国に及ぶ。FTは2006年から国内固定電話を除く個人向けサービスのブランドを「Orange」に、法人向けサービスは「Orange Business Services」ブランドに統一した。
FTは従来からフランス語圏の国を中心にアフリカ通信市場に参入していたが、近年、買収や出資をさらに活発化し、アフリカへの進出を加速している。既存の出資先事業者の経営権掌握も進めており、アフリカでのプレゼンスの強化を図っている。FTのアフリカにおける進出国は、2009年6月末時点で免許取得段階も含め16ヵ国となっている。
アフリカの通信事業はFTの売上全体に占める比率は少ないが、成長率は進出地域の中で最も高い。携帯電話加入者の増加率が高く、ブロードバンドの成長も期待されており、今後有望な市場であるとFTでは位置付けている。
FTは、2008年12月にコートジボワールにおいて「Orange Money」(モバイル決済サービス)を開始、2009年7月にボツワナで新しいタイプのプリペイド通話料割引サービス「Sesolo Zone」を開始するなど、アフリカ市場に各種新サービスを導入している。またアフリカ諸国でのブランド・キャンペーンの実施や各種スポンサー活動などにより、Orangeブランドの認知度向上に努めている。
本稿では活発化しているFTのアフリカ地域への進出動向とアフリカにおける事業戦略を概観する。